馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2003年12月29日(月) 『ラストサムライ』

大学のサークルの後輩と一緒に『ラストサムライ』を観てきました。

先日、サークルの納会がありましたが稲葉は1次会だけで帰っちゃいました。
彼女とゆっくり話せなかったのが心残りでした。
今日、久しぶりにいろいろとお話できたのは収穫でした。
上映まで少し時間があったので、サンシャイン60の展望台に上りました。
遠くはスモッグがかかっていたけれど、天気は快晴で文句なし。

   ◆

彼女と話せたのは収穫でしたが『ラストサムライ』も大収穫でした。

なるほど、謙さん、良いですね。
彼の出ているシーンでは、これがハリウッド映画であることを忘れます。
日本が創った時代劇にトム・クルーズがゲスト出演しているという錯覚。

あげちゃいましょうよ、アカデミー。
もちろんゴールデン・グローブも。
ネタバレ的なことは書きませんが、謙さん最後の突撃は泣けます。

来年の正月、謙さん主演のNHK大河ドラマ『独眼竜政宗』の総集編が放送されます。
なんどか観ている作品ですが、また楽しみになりました。

真田広之さんも良いですよ。
この人は殺陣がうまい。
言葉を交えてトムと理解を深めた謙さんですが、こちらは刀を交えることで友誼を深めていきます。
これぞ正統派、男と男の付き合いです。
真田さん、大学の先輩であります。
殺陣同士会OB。

   ◆

この時代劇役者として申し分ない2人に目をつけた配役担当、良い仕事してます。
ハリウッド映画ってスタッフロールに「キャスティング」っていうのがあるんですね。
よく知りませんが、役のイメージに合った役者探し、および交渉が仕事のスタッフでしょうか。
日本の時代劇のロールではこういうスタッフは見えません。

そういう仕事を担当している人はいるんでしょうけど、扱いが軽いですね。
ロールに載るくらいに重要視すべき仕事だと思います。
最近の時代劇の役者観てると特に。

もちろん主演のトム・クルーズだって負けてません。
彼が徐々に日本の暮らしに馴染んでいく様子には、嬉しさを覚えました。

嬉しさを覚えたといえばエンドロール。
「KEN WATANABE」が「TOM CRUISE」の上にあってトップ。
これは震える。
謙さんはクレジット順に強いこだわりを持っている役者さんだと聞いたことがあります。
実際のところは知りませんがね。
でも今回のは制作サイドの粋な計らい、だと信じたいところです。

   ◆

もちろん日本人の感覚で「?」と感じる部分も若干あるわけです。
外国人の好みそうな日本もごくごくわずかでありますが入っています。
でも許せる。
許せるというか、他の大部分がそんな些末事を心地よいほどにぶっ飛ばしてくれています。

最近の時代劇なんかより、ずっと真面目に真摯に創られています。
外国人にここまでやられっぱなしで悔しいっす。
立ち上がれ、日本の時代劇製作者たち!
軽くて小奇麗なのは食傷気味。
重厚で血と泥にまみれたようなドラマをそろそろまた創るんだ。


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稲葉 馨

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