馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2003年11月12日(水) 超・長寿な人たち

こんな記事を見つけました。

「世界最高齢」2週間、114歳の川手ミトヨさん死去

先日、長寿世界一だった本郷かまとさんが116歳で亡くなられました。
2日寝て2日起きてるという不思議な生活サイクルを持った人でした。
ネタに困ったワイドショーなんかがよくすがってましたね。
本郷さんが亡くなったことで、この川手さんが長寿世界一になったわけです。
しかし世界一になった2週間後に亡くなられてしまいました。

本郷さんが亡くなったという最初の記事の末尾には、川手さんが世界一になったということが記されていました。
長寿世界記録の1位・2位を日本人が占めていたんですね。
つくづく凄いと思います、わが国は。

しかし、世界一の人が死んだ途端に「次の世界一は……」と紹介されるのは少しなんだかなあ…と思います。
ギネスモノの長寿を持ってしまうと、その人の死そのものよりも、記録の推移の方が注目されてくるんですね。
まあギネスブックや厚生労働省みたいなところは仕方がないかもしれませんがね。
でも遺族にとっては記録が失われることなんかどうでもよくて、ただ大好きなおばあちゃんが死んじゃったというのが大きいはずです。

   ◆

で、今回なくなった川手さん。
ほとんどベッドの上で過ごしていたようですが、カスタードケーキが大好きで健康状態は良好だったといいます。

川手さん本人とその家族はそれまで自分が「世界第2位」だったということを知ってたんでしょうか。
たぶん知らないでしょう。
ギネスだってまさか「現在あなた、2位ですよ」なんて言わないでしょう。

ケーキ食ってのんびり暮らしていたところ、突然「あなた、長寿世界一になりましたよ」って言われたらどう思うのかな。
人によっては相当なプレッシャーになるんじゃないかしら。
「長生きしないと!」みたいなのに取り付かれて結局命を縮めてしまう。
実際のところはよく知りませんが、今回の川手さんの件はそんなことを想像してしまいます。

記録は記録として大切です。
ただ、もう少し気を使った方がよい記録もあるようですよ。

   ◆

今回も次の最高齢者が紹介されてました。
113歳の小山ウラさん。
今のところは「長寿日本一」と紹介されています。
今後世界一になるのか分かりませんが、あまりプレッシャーにすることなく、ゆったり過ごしていただければと思います。

にしても、かまと・ミトヨ・ウラ…。
昔の方々の名前というのは味がありますね。


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稲葉 馨

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