馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2003年09月23日(火) 裏方参加の舞台で

大学で旗揚げした劇団の公演があり、これに音響として参加しました。
この劇団にはこれまで役者として関わり続けていました。
まあ、裏方の一部を兼務したことはありましたが、裏方一本というのははじめてです。
ただ、サークルの後輩とやったお芝居で裏方のみ(演出・音響)は経験しています。

音響として舞台の外からお芝居を観ていると、役者やってるとき以上に冷静な分析が出来ます。
良い点も悪い点もはっきり見えてきます。

中には舞台の中に立ってるほうがよく見えるって人もいるんでしょうね。
そのへんは人それぞれ。
稲葉の場合は舞台の外にいる方がよく見えた気がします。
ふむ。

   ◆

さて劇場の仕込では、サークルの後輩に手伝ってもらいました。

彼は3つ下の後輩になりますが、仕事に関しては大人で音響の知識にも確かなものがある男です。
稲葉も音響自体は初めてではないので、ケーブルを接続して音を出すことは簡単に出来ます。
ただし、細かいところ、深いところの知識がありません。
あったとしても自信が無い。
だから「大丈夫」と言ってくれる、くだらない質問にも答えてくれる懐の深いアドバイザーが欲しかったのです。
役者にしても音響にしても、本番を控えているときは不安材料は人の力を借りてでも潰しておきたいものです。

仕込みの段取りに少々手間取り(劇場備え付けの照明機材にトラブルあり)、音響のレベルチェック(シーンごとのボリューム調整)が出来ないままゲネ(本番同様の最終リハーサル)を迎えることになりました。
カッコの多い文章でごめんなさい。
こういう場合は自分の耳を信じてフィーリングで臨機応変に音量を調整するしかありません。

ゲネ後、後輩からダメだし・アドバイスをもらいました。
さすがなものでこちらが不安に思っていた所を的確に突いてきます。
こちらが思ってもいなかった所まで突いてきます。
ともあれ、かなり自信を得られました。

   ◆

おかげで本番の3ステージ、細かいミスはかましたものの、トラウマとなるほどの失敗はありませんでした。
…あー、無かったと思いますよ。

効果音としてテレビ番組『トリビアの泉』の「へぇ」を使いました。
サンプラーという機材をいじって、ボタンを押せば「へぇ」が出るようにしました。
へぇボタンね。
で、これをチェックとして出しているのに、みんな「遊んでるんじゃねえ」って言うの。
違うっつーに。
チェックだっつーに。
確かに遊んでる部分もかなりあったけどさ。

稲葉の本筋はやっぱり役者なんですが、裏方は裏方で楽しいですね。
ずらりと並んだお客さんの後頭部なんて、ほんと楽しいですよ。
裏方は裏方で勉強したいなあ。
表現という部分では役者と変わらないんですね、裏だって。

さて、少しバイトが空き気味になってました。
またせかせか働かないと。


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稲葉 馨

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