馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2003年05月25日(日) 強い人たちともっと強い人たち

大相撲五月場所は横綱朝青龍関の優勝で幕を閉じました。
横綱の優勝ですから、まあ妥当なところです。

たとえば野球なんかですと、1つのチームだけが飛びぬけて強かったりすると面白みが減りますね。
デッドヒートしてもらわないとやっぱり面白くない。
自分が飛びぬけてるチームのファンならばともかくね。

ただね、相撲の場合はちょっと異なります。

強い人はやっぱり強くあってほしい。
それもダントツに強くあってほしい。
闘う前から勝敗が分かっちゃうくらいに強くあってほしい。

   ◆

大相撲は16時に幕内の土俵入りが始まり、横綱の土俵入りへと続きます。
で、最後の一番が終わるのが18時。
幕内からテレビを見たとしたら、最後まで2時間かかります。
この2時間を締めくくるのが横綱の一番なわけです。

たとえば『水戸黄門』だと決まった時刻に印籠のシーンが出てきます。
見る前からそうなることが分かってます。
でも、なぜか毎回スカッとするのね、あれ。

横綱の相撲もね、おんなじ。
水戸黄門の印籠とおんなじ。

最後に横綱が圧勝するのを見てスカッとしたいのです。
「う〜ん、やっぱ朝青龍は強えーわ!」なんてね。
そんなときに飲んでる茶の美味いことったらもう。

そんな横綱がドーンと頑張ってるからこそ、たまーに負けたりするとすんごく盛り上がるのです。
「玉乃島、やりおったのう!」なんてね。
座布団も飛ばし甲斐があるってもんです。
おうちじゃ座布団は飛ばせません。
飛ばすと怒られちゃうから、代わりにお茶をグイッと飲む。
そのときの茶の美味いことったらもう。

   ◆

とはいえ、デッドヒートもまた見たいのですよ。
東西に強いつよーい横綱が1人ずついて、千秋楽に全勝優勝をかけての相星決戦。
そんなのが良いなあ。
いちおう横綱2人いますけど、どっちかが休場ってケースが多いのね。
揃ったとしても、なんかパッとしなかったりね。
代わりに大関陣に期待したいところですが、今の大関陣には飛び抜けたのがいません。
そこがとても残念だわ。

強い人たち、頑張ってください。
もっと強い人たち、頑張ってください。

そして、強かった人がひとり引退します。
元関脇の安芸乃島関。
先日引退した横綱貴乃花の兄弟子ですね。
昭和に関取になった最後の力士でした。
さみしいぞ。


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稲葉 馨

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