馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2002年10月21日(月) 夜の町を照らすもの

夜の町を歩いていると、ついつい民家の窓に目が行ってしまいます。
立派な一軒家からマンション、小さなアパートまで。

あ、ことわっておきますが、稲葉に覗きの趣味はありませんからね。

で、民家の窓です。
暗い空の下、光があるほうを見やると
シャツが部屋干しされているのが目に入ります。
壁に寄りかかってテレビを見ている男のシルエットが目に入ります。
カレンダーなんかも見えたりします。
2階の部屋を見上げるとレースのカーテン越しに光源である蛍光灯が直接見えます。

そのどれもが、なんかとても、暖かくて好きなのです。
「おうち」の雰囲気がこぼれてきているようで。

稽古場があっちゃこっちゃにあるので、方々の町に飛んでいますが
初めて行く町でも窓の向こうはなんか懐かしい。
いよいよ夜が寒くなってきましたが
寒くなるほど窓が暖かい。

夜の散歩は楽しいです。

いまさら言うのも恥ずかしいけれど
人ってさ、あったかいんだなあ。
ほんとに恥ずかしいな。

満員電車とか繁華街なんかだと人のありがたみって分からなくて、むしろ迷惑に思うことの方が多いけど、
でも人がいるって良いね。
たとえ知らない人でもさ。
たまに、本当にイヤなヤツもいるけどさ。

知ってる人、お友達なら、なおのこと良いね。

なあんてことを考えながら夜の町を歩いてます。

早く家路に着くべく足を少し速めて歩きます。
てくてく、てくてく。

ただいま。


 < 過去  もくじ  未来 >


稲葉 馨

My追加