馨絵詞〜かおるのえことば
楽しいことも、そうではないことも。

2002年08月20日(火) 稲葉の嘘と真実

人はときに嘘をつきます。

嘘にもいろいろありますね。
誰かを守るための嘘
後々に盛り上げたりする演出のための嘘
このへんは良い嘘ですね。
嘘も方便ってやつです。

でもそういうのばかりじゃないですね。
しょうもない嘘
くだらない嘘
嘘のための嘘なんてのもあったりします。
いちど嘘をついて引っ込みつかなくなって、嘘で1つの事実を作ったりなんかしてね。
最初は軽い気持ちだったのが、いつのまにか大きくなっててね。

そういう嘘は、どこかで誰かが傷つきます。
自分だけが傷つくならいいんですけど、他人も傷つくから「嘘」なんですね。

無かったことをあったように話すのは嘘ですね。
あったことを黙っているのはどうなのかな。
それでやっぱり誰かが傷つくのなら、それも嘘なんだろうな。

   ◆

嘘は「口」偏に「虚」。
「虚」……カラッポなんです。
そんなに強くない人が踏み台にするカラッポの箱、それが嘘。

嘘をつくのは、「そんなに強くない人」です。
「弱い人」ではありません。
「虚」を突かれて言ってしまう嘘もあるわけで、虚を突かれたのならある程度の嘘は仕方がなかったりします。
だから、そんなに強くない人、なのね。

いっぺん嘘をついたあと、その嘘の裏の真実に目を向けられなかったら、その人は今度は弱い人です。

自分が弱いこと、あらためて知った。

でもね、弱い人だって、強くなれるんです。
これは嘘じゃない。
嘘じゃないと信じたい。

嘘をついて、嘘を本当にしようとして。
その人は弱い人。
でも人は成長するじゃないですか。

少しずつ少しずつ、成長していきたいのです。

   ◆

嘘の反対は「真実」です。
「事実」ではありません。

真実は嘘より強いのです。
嘘が真実を超えることもあるかもしれませんが、それは嘘です。

嘘ついても、誰も信じてくれなかったら何にもなりません。
誰かが信じるから、それが嘘になるのです。
誰かが信じるから、それは人を傷つけるのです。


嘘の話ばかりじゃなんなので、ちょっと真実についても話しますね。


真実を作るには2人の人間がいるんです。
事実を話す人。
その話を信じてくれる人。
誰かが信じるから、それは真実になるのです。

ね、「嘘」の反対は「事実」じゃないでしょ。
「真実」でしょ。

この信じてくれる人って、実はとってもありがたい存在なんです。
信じてもらうって、実はとってもありがたいことなんです。

これだけのこと、あらためて知った。

どんな人でも傷つけちゃいけないのは当然なんですが、稲葉がいちばん傷つけたくないのは、「信じてくれる人」。
信じてくれる人に不信感を持たれるって辛いよ。

いちどでも不信を与えてしまったら、もう一度信じてもらえるには相当の苦労をしなければいけません。
信じてくれる人は、絶対に騙したくない、裏切りたくない。

そんなことを電車に乗りつつ考えていました。


……………………。


「当たり前のこと言ってらあ」ってお感じになった方、あなたは稲葉より成長しているんですね。
あなたにはまだ及びませんが、稲葉もちゃんと努力して成長していきます。

これは嘘じゃない。
信じてください。


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稲葉 馨

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