人はときに嘘をつきます。
嘘にもいろいろありますね。 誰かを守るための嘘 後々に盛り上げたりする演出のための嘘 このへんは良い嘘ですね。 嘘も方便ってやつです。
でもそういうのばかりじゃないですね。 しょうもない嘘 くだらない嘘 嘘のための嘘なんてのもあったりします。 いちど嘘をついて引っ込みつかなくなって、嘘で1つの事実を作ったりなんかしてね。 最初は軽い気持ちだったのが、いつのまにか大きくなっててね。
そういう嘘は、どこかで誰かが傷つきます。 自分だけが傷つくならいいんですけど、他人も傷つくから「嘘」なんですね。
無かったことをあったように話すのは嘘ですね。 あったことを黙っているのはどうなのかな。 それでやっぱり誰かが傷つくのなら、それも嘘なんだろうな。
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嘘は「口」偏に「虚」。 「虚」……カラッポなんです。 そんなに強くない人が踏み台にするカラッポの箱、それが嘘。
嘘をつくのは、「そんなに強くない人」です。 「弱い人」ではありません。 「虚」を突かれて言ってしまう嘘もあるわけで、虚を突かれたのならある程度の嘘は仕方がなかったりします。 だから、そんなに強くない人、なのね。
いっぺん嘘をついたあと、その嘘の裏の真実に目を向けられなかったら、その人は今度は弱い人です。
自分が弱いこと、あらためて知った。
でもね、弱い人だって、強くなれるんです。 これは嘘じゃない。 嘘じゃないと信じたい。
嘘をついて、嘘を本当にしようとして。 その人は弱い人。 でも人は成長するじゃないですか。
少しずつ少しずつ、成長していきたいのです。
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嘘の反対は「真実」です。 「事実」ではありません。
真実は嘘より強いのです。 嘘が真実を超えることもあるかもしれませんが、それは嘘です。
嘘ついても、誰も信じてくれなかったら何にもなりません。 誰かが信じるから、それが嘘になるのです。 誰かが信じるから、それは人を傷つけるのです。
嘘の話ばかりじゃなんなので、ちょっと真実についても話しますね。
真実を作るには2人の人間がいるんです。 事実を話す人。 その話を信じてくれる人。 誰かが信じるから、それは真実になるのです。
ね、「嘘」の反対は「事実」じゃないでしょ。 「真実」でしょ。
この信じてくれる人って、実はとってもありがたい存在なんです。 信じてもらうって、実はとってもありがたいことなんです。
これだけのこと、あらためて知った。
どんな人でも傷つけちゃいけないのは当然なんですが、稲葉がいちばん傷つけたくないのは、「信じてくれる人」。 信じてくれる人に不信感を持たれるって辛いよ。
いちどでも不信を与えてしまったら、もう一度信じてもらえるには相当の苦労をしなければいけません。 信じてくれる人は、絶対に騙したくない、裏切りたくない。
そんなことを電車に乗りつつ考えていました。
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「当たり前のこと言ってらあ」ってお感じになった方、あなたは稲葉より成長しているんですね。 あなたにはまだ及びませんが、稲葉もちゃんと努力して成長していきます。
これは嘘じゃない。 信じてください。
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