読書日記

2004年12月03日(金) 「超英語法」「英語で人生をひろげる本」

最大のポイントになる主張は、「『供給者の論理』に落ち込むな」だろう。学習のための教材の入手や作成はいわば需要者自身で十分にできる。つまり、高価な教材の購入や英語学校入学は必要ないというのである。不足部分は、この本、野口悠紀雄「超英語法」(講談社、千五百円)で補えばよいと言う本。
著者は現在(二千四年)、六十四歳。自身が英語の勉強をしなおすのに合わせて書いたと言っている著者の若さが言外から伝わってくる。

読み終わって改めて題名を見る。内容にふさわしい題名だったのだと驚いた。読む前は「英語で」のところに勝手に重点を置いて内容を軽薄に推断していた。読後は「人生をひろげる」のところに目がいき、納得した。
ハウツウ本ではなかった。
題名の通り、人の人生を深く考え、味わう助けになる本だった。
本を読み、その本の子や登場人物や作者のことに思いを馳せるとはこういうことだったのかとこちらの気持ちにある種の切り替えをほのめかすような謙虚なこの本には久々に感心してしまった。
著者は、現在66歳。その年齢ならでは年輪の見事さとその年齢があくまでも身体面のもので数字でははかれない精神面の若々しさを感じる。
高橋茅香子『英語で人生をひろげる本』は晶文社二千年発行の本。


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