2004年08月30日(月) |
『波』2004年9月号(新潮社) |
「『ダンテ・クラブ』刊行記念特集」には魅力を感じる。いつ読めるかわからないにしても『薔薇の名前』を想起させる本は手にとってみたい。 不明を恥じた。 目次の下の方に「幸田文生誕100年記念 再録インタビュー 『流れる』のことなど 49」とあった。 最近、『木』『北愁』『月の塵』と続けて読んできて、『ちぎれ雲』(講談社文芸文庫)巻末の年譜にも目を通していたのに少しも気がついていなかったのだ。 ご本人は著書『月の塵』の「遺品のあるなし」(七十二頁から)で父親の幸田露伴の「生誕百年」を「いわれてまごついた。」(七十二頁)と書き出し、続けてこんなことを書いている。 「没後の年数も十七年を越したら、急速に気がはなれてきたようだ。そんなこんなで、生まれて百年、といわれて戸惑ったと思う。」(七十三頁) 幸田文は1904年(明治37年)9月1日生まれであった。
早川書房の『ミステリマガジン』2004年10月号(通巻584)を拾い読み。 特集は「犯罪と音楽の協奏曲」とある表紙を見て、定価840円とある裏表紙を眺める。 マイケル・ケインとブレンダン・フレイザーの新しい映画『愛の落日』の宣伝ポスターが使われている。原題は『The Quiet American』とあるその下の夕陽のさらにその下にこうあった。 「グレアム・グリーン生誕100年記念作品」 グレアム・グリーンもまた読まねばならない作家のひとりだったのだ。
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