読書日記

2001年08月19日(日) 8月14日(火)から8月19日(日)までの読書。「SFマガジン9月号」を読む。

8月14日(火)から8月19日(日)までの読書。
「SFマガジン9月号」を読む。
テッド・チャンの「あなたの人生の物語」(訳=公手成幸)はネビュラ賞受賞作。突然出現した異星人の言語を学習した女性言語学者は驚くべき認識力が身についたことを知る。これから生まれて成長し山で死ぬ運命にあるわが子への優しくも悲しい語りかけで始まり終わる、言い知れぬ憂愁の雰囲気に満ちた不思議なファースト・コンタクトSFであり、未来の純文学でもある。◎
林譲治の「バンシーとの邂逅」はシリーズの6作目にあたるが、これだけでも読める。時代は2170年頃。もっと遠い未来の出来事のような気もするが、その時代のある人間がさらに遥か未来から来た宇宙意志のようなものと出会ったおかげで、という話し。これも一種のファースト・コンタクトものでテッド・チャンの作品と共通する部分もある。△
スティーヴン・バクスターの「氷原のナイト・ドーン」(訳=中村融)はローカス賞受賞作。雪と氷の世界に棲む人間たち。これは超未来の地球らしい。<衝突>によって地球は人類にとって住みやすい世界ではなくなった。吹雪が起きると行う<おしくら>の描写が切実で苦しい。○
友成純一の「90年代SFホラー映画論・人間廃業宣言」は8回目の連載で、今回は「<エイリアン>シリーズの弁証法的展開」を語る。ちょっと前にテレビで「エイリアン4」を見たばかりだったので非常に面白く読んだ。○

椎名誠の「あるく魚とわらう風」(集英社文庫、2001.2)を脈絡なく読み始める。270ページほどまで読んだ。14日(火)ころからずっと読んでいてまだ終わらない。「東奔西走」「慌ただしいドタドタ人生」とある通り出かけて行った場所や出会った人々は数知れず。とても読んだり書いたりする時間はなさそうだが、いつでもビールを飲むようにどこでもいつでも書いているのが驚くばかりである。1995年から1996年までの1年半の詳細な日記。筆者に興味がなければたいして面白くはないだろうが、意外に逆に興味を持つかもしれない。こんなに働く(動く)作家は類例がないのではないか。

渡辺浩弐の「ブラックアウト」(幻冬舎文庫、1999.11)は人気のあった深夜ドラマの原作で連作短編集である。最初の「設計された子供たち(クローニング)」を読んだが、いま一つ乗り切れず。解説の小谷真理が面白そうに語っているが、最初の話を読んだ範囲では△

「始祖鳥記」少し読み進める。


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