読書日記

2001年08月03日(金) ウイングフィールド「クリスマスのフロスト」を読んでしまった。

「クリスマスのフロスト」(創元推理文庫)を読み通す。
 夜中に民間人の家に不法侵入し撃たれて瀕死の状態の姿で主人公らしき警部フロストはまず登場する。この時彼は撃たれているので何もしゃべることができない。ここからそもそもの始まりである四日前の日曜日に話は戻る。八歳の女の子トレーシーが日曜学校から帰宅せず、そのまま行方不明になるという事件が起こるのだ。思ったことはとにかく口にする、しゃべり動くフロスト警部が登場するのは六十七ページからである。その後のしゃべることといったら並大抵ではない。そのフロストがトレーシー捜索の責任者が急病で入院したあとを継いで総責任者となってからは話は急展開。なにしろ責任者自身がその四日間に起きる事件・出来事すべてに直接関わっていくのだから巻を置くあたわず、である。 前に読んだはずと、どこかで思い出すだろうと読み始めて結局最後まで、特に六十七ページ以降はぐいぐい引きずられて、読み終えてしまった。初めて読んだような感じである。どう考えても一度よんでいるはずなのに。
 千九百九十四年九月初版でこれは千九百九十七年十二月十七版である。よく読まれている傑作。シリーズ第二作は「フロスト日和」大いに期待できる。
 今日はほかに講談社文庫のミステリー傑作選20「死者たちは眠らない」の一番目の「初代団十郎暗殺事件」(南原幹雄)を読んだ。元禄十七年の殺人事件を百五十年後に八代目の団十郎が推理する話である。今はその時代からさらにだいたい百五十年後である。時代小説がその時点での現代小説に見事になっている。
 「始祖鳥記」も少し。気になる砂絵師の卯之助の過去が語られる。
 明日と明後日は旅行のため日記を書けそうにもないので月曜日にまとめることにする。


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