読書日記

2001年07月21日(土) 安原顯の書評集を支持するのは変?か。

安原顯「読書狂いもほどほどに」(双葉社)を支持するのは変か。というのはあまりにも個性的で、それは時には粗暴で暴君にすぎないのではないかと、その書評集が出るたびに2000円なにがしの代価を払ってはいるのだが、時には慎重な姿勢で一度は本を棚に戻すこともあるから。坪内祐三という書評家との一種のいさかい(?)論争(?)見解の相違的喧嘩?を知ってからますますそういう思いへの傾向は強い。が、買ってしまう。読んでしまう。楽しんでしまう。
 包容力の点では安原顯がまさる、と思う。過激な発言はいったん惚れた場合には底なしのべたほめになるに違いない。人で作品を判断するのではなく、あくまでも作品を判断する独立愚連隊的書評家だからだ。坪内祐三が優れた本を出したら、それまでのいきさつをすべて忘れたように、何事もなかったかのようにはっきり誉めあげるだろうと思う。それが安原顯である。
 とりあえず同書26ページから27ページまでの「写真集 国家」についての文章を読むだけでも安原顯が少しわかる。
 半年に一冊程度のペースでこれまでの全仕事として三百五十ページ前後の書評本が出る。うれしいことの一つである。


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