読書日記

2001年07月18日(水) 佐藤賢一「二人のガスコン」は天才の仕業

 佐藤賢一「二人のガスコン」を読んでいるところ。二人称でぱしっときめた渋い語り口の歴史小説と思いきやあのシャルル・ダルタニアンとこちらもまたあのシラノ・ド・ベルジュラックの独白が交互にあるいは入り乱れて地の文を侵略し放題でまるで長編落語のようである。または、講談調で文章が絶好調という趣きで紡がれてゆく。上・中・下の全三巻で多少長いが、言葉がことばあそびのようにどんどん浮かれ騒いで先へ先へと走ってゆく。シラノもシャルルも悩みはするが、作者または語り手は明るく絶好調である。作者の年齢の若さを考えるとたいしたものと感服するしかない。


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