xxxxxx 表面張力(仮)

虚実入り乱れても記録
20010802--



2002年03月16日(土)

同じ夜

 遅く来たから泊まって作業.同部屋の人々がまだいる.彼らが泊まらないといいのだけれど,まあどうなることやら.まだ終電には時間があるけれど.
 夜中は一人で作業をしていたい.シンとしているのが好き.ときどき現れる先輩方と少し話して,お互いにお互いを侵さない程度の時間を一緒にいてまたお互いの作業に戻る.それくらい.
 ときどき私の甘えが人の邪魔をしてしまうことがあるけれど,基本的には気をつけるようにしている.用事がある時でも寂しい時でも,少し時間を頂けばあとはそれぞれの,一人の時間だ.
 夜に作業をしていることは,それが夜であることに意味があることがおおいだろうから.少なくとも私はそうだ.


 奴がまだ日本にいた頃は違った.夜になると,より一緒にいたかった.実際にはお互いに実験やら分析やらあるから一緒にいられるわけないんだけれど,お互いに泊まっていると,どこか少しでも一緒に過ごせないかと機会を窺っていた.一方的に私が.
 やはり,私は甘かったんだろうと思う.その甘さが現状を作ったのだと思う.
 夜は,少なくともここでの夜は,一人で作業をして考えて考えを練る時間帯だ.一人のための時間だ.奴にとっては本当にそうだったろう.私はまだ,そうやって使えていなかった.そして奴の時間を侵していた.
 勿論,奴だって夜を二人の時間として使う時もあったけれど.
 違った.色々なことが違ったのだ.そんな大事なことが違った私達がずっと一緒にいることなんてできるはずがなかった.


 一人でも二人でも.
 闇に隠れて,でもしんしんと静かな,音が遠くなったような引き延ばされたような時間はとても大事.自分を見て,考えていることを見て,相手を見て.
 研究所にいる時には思考の時間.
 もし二人でいる時間なら,ワタシは同じ夜の人がいい.



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