古畑亜紀の日記
日々の雑記帳です。思い付いた時に
気分にまかせて書きます。

2003年01月15日(水) ソウル・アディオス

さて、昨日は、「話し掛けられない」ようにするため、
またどっかで偶然会いたくないやつに会ってもわから
れない様にするため、私は爪をごくノーマルなものし
て、眼鏡をかけてでかけました。

ちなみに、おとといダイエーにとりにいった写真は
「写っていなかった」ので使えなかったのだ。なんで
こうなるんだろうね〜。私の不運ってどうして、
客観的にみると「ちょっとコメディー」みたいに
なるんでしょ。本人はかなり苦しんでるんですけど。

昨日は、ごく普通に日課をこなした後、突然必要に
なったものを買いにいかなくちゃいけなくなった。
それがなかなか見つからず、まあみつかったんだけど、
歩きつかれたので、よくいく店に晩御飯をたべにいった。

すると、隣に25才くらいの男性がすわった。
しかし、何を思ったかやたらと話し掛けてくる。
「ぼく、眼鏡かけた女性が好きなんです。」と
はじまったのだ...うわーん。眼鏡をかけたのが
逆効果だったのだ。もちろんシカトしたのだ。
すると、「お仕事しすぎで疲れてるんじゃないですか?」
「ぼく、くちもききたくないほどあやしくみえますか?」
「仕事してる女性って、すてきですよね。」
とかなりしつこい。それでもシカトしたのだ。
私は、コルビュジェの特集がくまれているブルータス
をよむのに夢中だったので、はっきりいっていつもは
マスターともよく話すんだけど、誰とも話す気分じゃ
なかったのだ。私の「八方美人」パワーは昨日は
まるきり存在しなかった。別に悪気もないんだけど。

そして、お手洗いにいきたくなり、いって戻ってくると
彼は消えていた。「帰ったんだな〜」と思っていると
お店の人が、「あの、不愉快かもしれませんけど、
さきほどの方がどうしてもごちそうしたいといって」
私の御勘定をはらっていったというのだ。
お店の人も、知り合いじゃないことはわかっていたので
どうしていいかわからなかったそうだけど、うけとって
しまったらしい。
もしもその彼が、お店の常連で(私も常連だが)気を
わるくして、あとからお店にけちつけたらどうしようか
と思ったけど、そうでもないらしい。

彼のかえった後、マスターと、お店の人とそのかれに
ついての勝手な話がはじまった。私が、技術マニア系
25才と判断したその彼はなんと、大学浪人なんだそう
だ!!20才そこそこなんだそうだ。
じゃあ、なんでウイスキーいりのコーヒーなんかを
メニューにもないのに頼んだりするのか、浪人でお金
がないはずなのに、私の勘定をいない間に払うのか
さっぱりわからない。なんで、浪人がブランドコート
きてんだよ。自分ではたらかないで親にかってもらう
男はきらいだ!!
「ダンディズムに憧れる年ごろなんじゃないの。
 見知らぬ人にさ、そういうことをしたいんだよ。
 あ〜俺もいっかいやってみたいな〜」「僕もやって
 みたいですよ〜ダンディズム」
とかいって楽しそうにげらげら笑っている。お店の人は、
私のことを心配していたらしいのに、マスターは
「いや〜大丈夫だからほっておけ」
といっていたらしい。...ほっとくなよ...。

私は、「なんだ〜。子供じゃん。悪いことしたな〜。
 ちょっとぐらい優しくすればよかったかな〜。
 社会福祉の一環として、話をきけばよかったかな」
っていったら、
「別に普通の反応じゃない?気にしないで。」
「なんかさ〜、むこうがダンディズムだったら、
 私って、無理して仕事してて、だけどちょっと
 もろさを隠してるような、クールな都会の大人の女
 って感じ??ぎゃっはは〜」と悪のりしていうと、
「そう、それがね、またね、夢中にさせるんだよ、わはっ」
「知らないうちに、お客さん(私ですね)も、彼に
 ひかれていくんですよ、あっははは。雰囲気よかった
 ですもん。ほんとほんと」とお店がわも絶好調だ。
「それでさ、私が、彼に夢中になった頃に、彼は合格
 して、『あのとき俺普通じゃなかったから』とかいって
 ふられるんだよきっと〜うける〜(なんでうけるんだか
 自分でもわからないけど)。」
「でさ、またここにひとりできて、『彼と同じ、アイリ
 ッシュコーヒーをひとつ。』っていってさ、泣くんだよ。
 おれたちは、そっとしておくの」
「大丈夫です、メニューにないけどつくりますから。
 絶対きてくださいよ、ひとりで。ははは」
「都会の女だからね〜ぎゃはははは〜」
と、結局わたしが泣くのがオチというストーリーができ
た。ひどいんじゃないかそれ。しかしおかしかった。
一応申し添えておくが、これは深夜のバーのできごと
ではなく、七時すぎの喫茶店でおきたことである。

はあ〜。地下鉄もだめ、道ばたもだめ、ダイエーもだめ、
ミスドもだめで、ノーメークもだめ、眼鏡もだめ、
なじみの喫茶店もだめ。何をどうしてもからまれるみた
いだ。帰り道、信号無視したら、おばちゃんに「赤なのに
わたるんじゃない」と注意されたし。だって車なかった
んだもん。

しかし昨日の私はたちなおっていた。
なぜかというと、私が自分で「北斗七星」となづけて
いた、左頬からあごにかけてでていた肌荒れが治って
消えていたからだ。年末に風邪を引いた時にできて、
なかなか消えずにまいっていた。それに加えて、不摂生
とやけをおこして情緒不安定だった時期もあって、
いっそうなおりが遅くなっていた。でも、昨日の朝
なぜだかなおっていたのだ。

私は、それで思ったの。
「私の顔から、『夜』が消えた」って。ばかだと思うかも
しれないけど、それでいきなり立ち直ったんです。
私の好きな手塚治虫の作品に、「ソウル・アディオス
(夜にさよなら)」っていうのがあります。『夜』
となずけたサボテンの妖精、主人公にとっては恋人
なんだけど、そのサボテンが留守番中に焼かれて、
妖精とあえなくなっちゃうんですね。主人公は、号泣し
絶望しますが、「またあえる。」と信じて明るい表情で
学校にいく...という話し。号泣している場面よりも
その明るい表情に私は泣かされる。まさに、泣いた後
の瞳は美しいという感じの瞳にランドセル。少年の
けなげな強さにもはげまされる、とても好きなお話
です。どこかの山荘で読んで以来、探しているのです
がなかなか見つからない本ですけど、すごく覚えてい
ます。

夜にさよならすると、朝がやってくる。私が以前、
「どうしようもなく嫌われちゃったな」と思って何年も
連絡もつかなくなっていた恩人が、あるときコンサートに
きて、わたしてくれたワインの名前は「SUN RISE」
だった。ワインの好きな人でした。そのとき、
まったく話しはしなかったしそれきり会ってもいないけ
ど、昨日わかったんです。
その人は私をゆるしてくれたんだってこと。ゆるせな
かった夜がおわったってこと。

だから、私もゆるします。私をくるしめたすべての
できごとを。そうすれば、「朝がくる」んだから。





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