道標≪過去を見つめてあさっての方向へ≫


2004年09月04日(土) 涙の348号線

祖父の墓前に手を合わせた。
深夜12時、某所墓地。

祖父を看取った17歳のあの日から何度も夏は過ぎたけれど
ここに来る度、私は祖父に無理なお願いを祈ってばかりいる。

死んでしまった祖父には何の力もない。

現状を打破できるような言葉も身体も失ってしまった、
骨壷に収まる祖父の影に、それでも私は何度も祈る。

かわいそうなあの人達のことを。
かわいそうなあの愚かな男のことを。

私には成す術が無くて。

出来もしないことを口に出して
ただ逃げてばかりいるあの男が死んでくれさえしたら
どれだけ救われるのか。

でも、
誰一人そんなこと望んでなんかいないのに
男は橋の上に立つ。死ぬ気などさらさらないのに。
引き止めてくれる言葉が欲しいだけなのか、
必要とされていることを認識したいだけなのか、
不毛極まりない追いかけっこに疲れても
私は言葉をかけずにいられない。

私はやれるだけやりたいのだ。
後で泣かないためにも。

橋の上は風が吹いていて。


男が川岸に去る。
幼女のように、嗚咽してその姿を見送った。

帰り道がわからない。


金田こけもも |MAILHomePage