Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
海のデブリ
ひさびさに海外の海関係情報サイトに行ってみたら、やはりこちらも津波の話題でした。 海上漂流10日後に保安庁の巡視船に保護された犬は、「Tsunami Dog」として結構有名になっていました。
Japan tsunami dog reunited with owner http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-12957838
日本国内では皆さん今、陸上で大変だし、海というと茨城沖の漁業の話以外はあまり報道でもとりあげられていないのですが、海上保安庁では今、第二管区沖合110kmに航行警報を出しているのだそうです。 がれきが多数漂流していて航行に危険なのでこの海域は避けるようにと。
復興救援に駆けつけたアメリカ第七艦隊も、これには苦労しているそうな。
Floating Houses Pose Bigger Test for Ships Than Japan Radiation http://www.businessweek.com/news/2011-04-05/floating-houses-pose-bigger-test-for-ships-than-japan-radiation.html
タイトルがちょっと不謹慎ではないか?と思われますが、アメリカ人にしてみれば致し方ないだろうとは思います。
第七艦隊のスポークスマン曰く“Our forces have seen everything from cars to tractor- trailers to entire, intact homes floating in the ocean,” “They have never seen anything like it.” 車からトレーラーから、家一軒が無傷で丸ごと海に浮かんでいる、こんなものはこれまでに見たことがない。 原子力空母ロナルド・レーガンにとっては、ガレキ(debris)の方が放射能より脅威である。 “We’ve also employed side-scan sonar options for under the water.” side-scanソナーも使用して、海面下のがれきにも注意を払いながら航行している。 ソナー員も潜水艦とか魚雷には慣れてるかもしれませんが、がれきは初めての体験でしょう。
しかしこの記事を読んで感じるのは、原子力空母に乗ってる人の放射能に対する感覚というのは、今回の件に過剰反応している陸上の世界各国の一般市民とはかなり違うんだなぁということで、
世界各国とも過剰反応する国民を安心させるために国内の環境放射線数値を公表していますが、実はかつて国内で大気圏内核実験をやってしまった国の数値は今でもそれなりに高い。 米エネルギー省(Department of Energy)のホームページのプレスレリースのところに日本の「Radiation Assessment」が公開されていて、4月4日付のレポートに「アメリカの年間平均に比べると現在の東京近郊の数値ははるかに低い(far below)、東京近郊の米軍基地に駐留する米軍およびその家族は何ら心配することはない」って書かれているんですけど、あの〜東京はまだ通常年間平均値の上限よりちょっと高いんですが、「はるかに低い」ってなにごと!ってそれを読んだ時には思いました。
このアメリカの年間平均っていうのは、レントゲン健診や飛行機利用なども含めた数値ですからもとから高めですが、同じプレスレリースの最後に参考として付されているグラフから、それらを差し引いた環境放射線量だけを計算してみても、やはり4月初旬の東京の数値よりわずかだけど高めになる。うーんやっぱりこの数値はアメリカ政府にとっては、「低い」という感覚になるのか。 米環境保護庁(Environmental Protection Agency)のホームページに行くと、米国各地の数値が公開されていますが、かつて核実験場になった西部の砂漠地帯諸州(ネバダ、ユタ、コロラドなど)はやっぱり今でもちょっと数値が高いんですね。
むかし(1950-70年代)って核保有国は、今から考えるとむちゃくちゃな大気圏内核実験をやっていたようで、 太平洋のど真ん中の環礁でも実験やっていたんでしょう? その時の海に散った放射能ってどうなってるんでしょう? 今回の汚染水の海洋投棄でむし返された、かつてのイギリスの処理場のアイリッシュ海への汚染水投棄問題も、今聞くとびっくりですが、その後の海洋生物への蓄積はどうなっているの?と思います。
今回の世界各国市民の反応を見ていると、一般国民の放射能を恐れる感覚というのは何処の国も同じようなものなのだなぁと思って、 このあたり何処の国も、政府側の感覚と国民側の感覚にはかなりのずれがあるのではないかしら? でも世界中の国民がこれだけこわがるということは、やはりもう核戦争はもう出来ないということで、そう考えると少し安心できたり、
2011年04月17日(日)
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