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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
ダグラス・リーマン インタビュー(後編:完結)

ダグラス・リーマン(アレクサンダー・ケント)インタビュー、最後の部分です。
以下は下記URLページの内容のみを、管理人のフィルターを通して、要約紹介したものです。原文をそのままを訳したものではありません。
日本で出版されていない作品については、一部省略させていただいています。要約のため原文とは文章構成も異なります。
原文ご希望の方は下記アドレスをごらんください。
http://www.bolithomaritimeproductions.com/Interview/default%20-%20Interview1.html


◆ケント名義の帆船時代、リーマン名義の近現代、異なる時代を交互に描くことに困難はないのか?
困難は全く感じていない。ケントとリーマンでは、小説を書くにあたっての事前調査も、文章も、艦も全く異なっているから、混じることはありえない。
ケント作品では、登場人物たちは同じ時に同じ場に立っており、誰がどこにいて何を見、何が聞こえているのか皆がわかっている。他の登場人物の言葉を洩れ聞くこともある。だがリーマン作品の場合、登場人物たちは隔壁で隔てられた個々の部屋に配置されてる。小説の描き方は当然異なり、個々のキャラクターを取り上げて描かなければならない。

老婆心ながら注)ケント作品は帆走軍艦が舞台ですが、帆走軍艦では多数の登場人物が甲板という空間を共有しています。これに対して、第二次大戦が舞台のリーマン作品では、というか第二次大戦当時の軍艦では、艦橋、砲撃司令室、機関室のように乗組員たちが隔壁に隔てられた各部署に配置されていて、連絡手段は伝声管のみ…という状況をリーマン氏は言いたいのだと思います。

◆リーマン名義の物語は、一作ごとに舞台設定も主人公も異なりますが、どのように設定を決めているのですか?
ふつうはまず舞台設定を決める。それからその設定にふさわしい主人公を設定する。

◆この50年で出版界はどのように変わりましたか?
インディペンデントな独立出版社が大手企業に呑み込まれてしまった。個人レベルでは、出版社の担当と友情につながるほどの結びつきを得ることがむずかしくなった。担当者が頻繁に出版社間を移籍するからだ。また以前は、出版社の担当が幅広い社会経験を有していて出版業界以外の世界を知っていた。そのため新奇な企画にも柔軟に対応し、作品を型にはめようとすることもなかったと思う。

◆長年小説を書いてきて、もっとも充実感を感じた経験は?
私にとっての最大の糧は、私の本を読んだ読者が、私の本が面白かったと教えてくれることだ。その中に少なからずかつての敵国からの手紙があることも。英国に次に私の本が売れているのはドイツで、3番目が日本なのだ。
私の本を読んでくれた人に出会うことは喜びであると同時に、心動かされる体験でもある。

読者の方たち、さまざまな形で長年に私に助力を与えてくれた方達にはただただ感謝の言葉しかない。あなた方の存在がなければ、私はここまで続けてくることはできなかった。


50周年に当たる今年に出版されたダグラス・リーマン名義の新刊「The Glory Boys」は第二次大戦中のマルタ島を舞台とした物語。
そしてこの次に出版されるのはアレクサンダー・ケント名義のアダム・ボライソーの新たな冒険「In the King's Name」、まもなく出版日も明らかになるようです。

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ふうっ、なんとか今年のうちにインタビューを完結することができました。
今年も1年間、このHPをご訪問いただき、ありがとうございました。

ほそぼそではありますが、来年も続けていきたいと思っていますので、新しい年もよろしくお願いいたします。


2008年12月31日(水)