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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
お茶をにごす

今週はちょっと雑談にて失礼。
いま年度末で、今年は予定を10日前倒しているので先週は仕事が大変なことになって、さすがに自分のことに時間を使っている余裕がありませんでした。
趣味の情報収集もほとんど出来ていません。…のでちょい古ネタでお茶を濁させていただきます。申し訳ありません。
来週あたりは復帰できる筈です。

アメリカのAmazon.comに、4月発売のボライソー最新刊がupされました。
イギリスでは1月発売だったのですが、表紙が前号から写真になってしまったので、ちょっと二の足を踏んでいて、
アメリカ版は前号もジェフリー・フバンドの帆船画でしたので、今回はどうか?と思っていたら、
やったわ。アメリカ版は今回も帆船画です。こちらをご覧くださいまし。
オーダー待っていて良かったわ。私は4月末にアメリカ版を購入しますので、入手できるのはゴールデンウィーク頃かと。

ナポレオン戦争時代の海軍を舞台にした歴史ファンタジー(?)「コランタン号の航海」のおかげで、ずいぶんと久しぶりに新書館の月刊漫画誌Wingsを購入しているのですが、
この雑誌に18世紀末の本草学者 平賀源内の漫画も連載されていて、
見ていると源内って、マチュリンと同じnaturalist(M&Cの映画では博物学者と訳されていた)だなぁって思うのですよ。
本草学というのは、薬草学のことだとこれまでは思いこんでいたのですが、対象範囲は薬草を超えているんですね。
源内は石綿を掘り出して実用化するようなことまでやっていますが、これって要するにアスベストだから「露天堀りしたら危ないのでは?」と漫画を読んだ知人が指摘しておりました。

調べてみたら、日本の本草学は博物学とイコールなのだそうです。
18世紀末のあの時代というのは、そうやって先駆的な学者の好奇心が世界を広げていった時代なのですね。
当時の日本は鎖国だったから、珍しい植物も動物も岩石も、この日本国内でしか採取できなかったけれど、
この時代に七つの海に進出していて、珍しい土地に行く機会を得ることができたマチュリンや欧米の博物学者たちは、本当に幸福だったのかも…と狭い日本に閉じこめられて苦悩する源内を見ていると思います。
だって、世界が謎に満ちていた時代なんて20世紀初頭までで、現代はもう珍しい植物とか新種の発見なんて機会は滅多になく、
19世紀半ばまで鎖国をしていた日本が、発見や探検の機会に参加できたのは、19世紀末の30年そこそこなのですから。

まったくの余談ながら、先々週(2月25日)放送のNHK大河ドラマ「風林火山」で武田に攻め滅ぼされた、海ノ口城主平賀源心は、平賀源内のご先祖さまになります。
今年の大河ドラマ、個人的には結構はまっているのですが、これはこのHPとは無関係なので…。

幕末の時代にロンドン留学する若者を描いた映画「長州ファイブ」を何とか見に行きたかったのですが、年度末のこの時期で結局かないませんでした(最終上映が18時台というのは早すぎ(泣)。せめて19時スタートにしてくださいませ)。
アカデミー賞の授賞式で紹介される映画を見ていると、見たいものが山ほどあるのに。
とにかく、きっちりお仕事を終えて、年度末を終えたいと思います。


2007年03月11日(日)