Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
本年もありがとうございました
今年も当サイトをご訪問いただきありがとうございました。 M&C放映の2004年、トラファルガー200年の2005年も終わり、今年2006年は落ち着きを取り戻した年になったかと思います。 それでも見回せば、新たにこのサイトをご訪問いただいた方もあり、2004-05年の一山を越した後も、海洋小説好きの方の数はM&C公開前の2003年より増えて定着しているのが、私もファンの一人ではありますが、嬉しかったりします。
今年を振り返って、翻訳小説ファンとして大変残念なことは、菊池光氏、浅羽莢子氏という、品格のある美しい日本語をお持ちだった翻訳者お二人が鬼籍に入られたことです。 菊池氏は、海洋小説ファンにとってはホーンブロワーの翻訳者ですが、ディック・フランシスやロバート・B・パーカーのファンの方もこの方なくしては考えられないと仰ることでしょう。 個人的には、私は菊池氏の文体を端正な日本語だと感じていました。隙の無い、流れるようでいて堅さの失われない文体が、英国紳士や士官の品格を象徴しているようで。 浅羽氏は数多くのミステリー作品も訳していらっしゃいますが、私にとってはやはりファンタジー翻訳の印象が深く刻まれています。 タニス・リーの美麗な世界を、ここまで日本語で端麗に再現できるのだと、形容詞の豊かさにため息をついておりました。 翻訳というのは職人芸なのだと、つくづく思う次第です。
さて、年が変わりますと、銀座伊東屋の帆船模型展、1月5日からミステリ・チャンネルで「シャープ」の新作(昨年英国で放映されたもの)放映とイベントが続きます。 これら詳細は年が改まりましてから。
本年もいろいろとお世話になりましてありがとうございました。 新しい年もよろしくお願い申し上げます。
2006年12月31日(日)
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