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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
敬虔なる殺人者 シラス

「ダ・ヴィンチ・コード」の映画が公開され、日本でも大変な人気のようです。
朝8時半の初回上映に1500人近くが並んだ映画館があるとか…TVニュースでも紹介されていました。

この映画、カトリックのタブーを描いていることから、世界的にはいろいろ問題となっていて、上映禁止を求める動きもあるらしい。
配給がソニー・ピクチャーズのため「ソニー製品の不買運動」を主張する宗教団体もあるようです。

この映画で重要な役どころを勤めているのがポール・ベタニー。
プロモーションのために、奥方とジェニファーとカンヌにも出かけたようですが、この関連でインタビュー記事などが欧米の新聞にも掲載されています。

このサイトでこの映画情報を本格的に追いかけるつもりはないのですが、欧米のM&Cファンにはこの映画にも関心のある人が多く、またポールはマチュリン先生を演じた経緯もあることから、面白そうなインタビュー記事が掲示板などに紹介されていました。
ひさびさに読んだポールのインタビューは、なんだか懐かしく、またそのちょっと皮肉な物言いが面白くて、楽しませていただきました。

YAHOOの記事を紹介します。
題して「敬虔なる殺人者」
http://news.yahoo.com/s/ap/20060515/ap_en_mo/film_paul_bettany_1

監督のロン・ハワードから、電話でシラス役をオファーされた時、実はポールはまだこのベストセラーを読んでいませんでした。
その理由は、一部には、「イギリス人の鼻につくスノッブさ」という奴があったからで、あえてベストセラーなど避けて通っていた、とも。

にもかかわらず彼は、コンマ2秒後に「Yes」と返事をしていました。
その0.2秒間に頭をよぎったのは、「修道僧にして暗殺者、監督はロン・ハワード、原作は4000万部のベストセラー」でした。
…正直なお方だわ。またこの優先順位がいいですね。彼らしいというか。

彼はすぐに車に飛び乗って書店に赴き、原作本を購入し、むさぼるように読みふけり、1日半で読み終わってしまったそうです。

ポールの家は実はカトリックなのだそうですが、様々な宗派を知るべきという父親の教育方針から、英国国教会やメソジスト派の集会などにも参加していました。

この映画がカトリック団体から非難を受けていることについて、彼自身は、この小説に関わる宗教上の論争に関わるつもりはない、と言います。

この本は書店の「フィクション」売り場に置いてあった。「哲学書」等の売り場にあったわけではない。
この本を読み始めた人が、ページを繰るのを止めることができなくなるのは、この本に書かれている哲学談義のためではない。
この本は、休暇でビーチに寝転がって2日たらずで読むたぐいの本だよ。
それに、もしこの映画が誰かの気分を害するようなものだとしても、もしその人たちがクリスチャンなら、許しを請う者は許すものではないのかい?

このコメントは、とても彼らしいな…と思って。
これ全くの「正論」ですよね。
おそらく、客観的な判断のできる人だったら、反論の余地なし…のように思えますが。

うーん、まぁ私はクリスチャンじゃないし、日本は基本的に宗教には恬淡とした国民性だから、このあたりはどうも…理解しえない部分もあります。
この映画を、R18の成人指定にして、「大人は自分で判断できるだろう」としたフィリピン政府の対応が妥当ではないかと、第三者的には思われますが。

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TVを見ていたら「パトリオット・ゲーム」の予告が流れていました。
今週の木曜日にNHKBSで放映があるようですね。

5月25日(木)20:00〜22:00 NHK BS11 「パトリオット・ゲーム」

この映画、キリックことディビット・スレルファルが出ているんですよ。脇なんですが、なかなか印象的な役。
ショーン・ビーン演じるテロリストを逮捕し、堂々とわたりあうロンドン警視庁の警部さんです。
この二人の対決は見物です。

この前この映画がTV放映されたのは2003年の秋、M&Cの公開前。
いったいキリックを演じるのはどういう役者さん?…という興味で、予習のために見たのですが、
うん、ショーンとやりあって負けなければラッセルも大丈夫だわ…とわけのわからない納得をした記憶があります。

是非見てあげてくださいまし。格好いいですから…キリック。


2006年05月20日(土)