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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
カリブの海賊、中国の海賊、インドの海軍

来年夏に公開予定の「パイレーツ・オブ・カリビアン」続編。その2or3どちらかわかりませんが、これにチョウ・ユンファが中国の海賊役で出演することが決定したそうです。
Capt. Sao Feng (サオ・フェン船長)、フルネームは張保仔(Chi Sao Feng)、香港付近の南シナ海で活躍した歴史上実在の人物…ということなんですけど、

これ調べてみたんですけど、確かに張保仔という海賊は実在するんですが、年代が合わないんですよね。
…というか、彼が活躍したのは19世紀の初頭1810年頃だそうで、それって、ジャック・オーブリーがレパード号であのままインドネシアを通りすぎて広東まで航海していたら、はち合わせしていたかもしれない…時代の人なんです。

一方の「パイレーツ・オブ・カリビアン」は、それよりも約100年前の18世紀初頭…と思われる(これは当時の軍服に詳しい方の推論です)。
いずれにせよ18世紀も末(アメリカ独立戦争以降)になってくると、ゲリラ戦を目的とした私掠船はあっても、無法者や私利私欲の海賊はカリブ海から一掃されてしまっていますので、いわゆる「カリブの海賊」はもう成り立たなくなってしまいます。

だいたい、パイレーツ・オブ・「カリビアン」にどうして中国の海賊なわけ???
ジャンク船で太平洋を渡る…なんてのはナシにしてくださいよ。
パナマ運河はまだ無いのだから、カリブ海に行くにはホーン岬をまわらなけらばならないというのに。
いったいどういうストーリーになるのでしょう???


いっそのことアジアを舞台にしては破茶滅茶なストーリーを展開するという案もありますが、
むかしハヤカワNVから出ていたポーター・ヒルの「ボンベイ・マリーン」シリーズのような。
ボンベイ・マリーンというのは、英領インド植民地のボンベイを基地にする英国東インド会社の私設海軍。
英国での過去を捨て、植民地インドに流れてきたアダム・ホーンが、アメリカ人、オランダ人、インド人、アラビア人など目の色も肌の色も宗教も違う部下(日本人もいます)とともに、東インド会社の商船を守って様々な作戦を展開する…という、18世紀の海軍モノというよりは歴史特殊部隊モノ(そんなジャンルあるんですか?)…いやまぁ忍者まがいの技を使う日本人のキロがいるから言うわけではないけれど、これは影の軍団…というか、そういうノリの娯楽歴史冒険小説です。
古本屋で発見されたら是非お手にとってみてくださいな。規律厳しい海軍モノとは全く異なりますが、楽しく読める海洋小説です。


そうそう、チョウ・ユンファと言えば、先週水曜日のYAHOO映画に驚愕のニュースが載ってましたね。
「ミッション・インポッシブル2」や「ウィンド・トーカーズ」のジョン・ウー監督が、「三国志」を撮るにあたって、曹操役のオファーを渡辺謙に出している。
この「三国志」、主役の劉備玄徳のオファーはチョウ・ユンファに行っているらしいです。
嘘かホントかしりませんけど、諸葛孔明がトニー・レオンで、周瑜がアンディ・ラウだと言うのですが…、
本気ですか?
本当に実現したら、私、感涙にむせびますけど(笑)。


2005年07月30日(土)