Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
M&C、4月のWOWOW、ケーブル放映情報
4月になりました。 有料放送ではありますが、待望のM&Cテレビ放映が解禁となる月です。
まずはWOWOWの放映予定。 4月24日(日)10:50〜吹替版、20:00〜字幕版(5.1サラウンド) 「マスター・アンド・コマンダー」 この映画は本当に音が良いので、お勧めは5.1サラウンドになる字幕版。
また、4月はスターチャンネルでもM&Cの放映があると教えていただきました。 Pさん、ありがとうございます。
スターチャンネル放送予定 4月23日(土)21:00〜23:30「マスター・アンド・コマンダー」 4月30日(土)13:40〜16:00「マスター・アンド・コマンダー」
いずれも、放映は3週間先になりますので、上記の予定は変更の可能性があります。 直前に再度、ご確認ください。
と皆さまにはご紹介しながら、我が家はNHKBS以外には有料放送受信料を支払っていないので(BS-hiチューナーは持ってますけど)、いずれも見られません。 ケーブルは魅力的ではあるのですが、土日しか時間が自由にならずDVDのHDDに録画が蓄積している現状では、これ以上手を広げるのはムリですね。ケーブルはいずれ定年退職したら(…)考えることにしますわ。
とか言いながら、でもこの放映日の前後には、海洋モノ好き、英国好きには面白い映画が並んでいるのですよね。 い〜な〜(と指をくわえる)。
スターチャンネル 4月22日(金)早朝 5:30〜8:00「インドへの道」 英国植民地時代のインドを舞台にしたデイビット・リーン監督の重厚な人間ドラマ。 イギリス人インド人、異なる文化、支配者と被支配者、決して派手な映画ではありませんが、微妙な人間関係のすれ違いを巧みに描いた秀作。
同じくスターチャンネルの同日 4月22日(金)21:00〜23:30「パイレーツ・オブ・カリビアン」 4月22日(金)23:30〜25:30「カットスロート・アイランド」 夜9時から4時間半の海賊映画特集。「パイレーツ…」は今さら言うまでもないでしょう。 「カットストート…」は、これが赤字だったゆえに以後しばらく海賊映画が作れなくなった…という80年代終わり頃の娯楽アドベンチャーですが、主役ジーナ・デイビスの女海賊が格好よく、冒険アドベンチャーとして楽しめます。 痛快でテンポが良くて面白い、きちんと帆船使っちゃたから、制作費のかかりすぎで赤字映画になり後ろ指さされてしまいましたが、単なるアドベンチャー映画として見れば十分合格点に行く作品です。
スターチャンネル 4月23日(土)23:30〜「白い嵐」 M&Cを見終わったあと、そのままTVをつけっぱなしにしておくと「白い嵐」がご覧になれます(凄い…)。 感動作品でお勧めですが、M&C+白い嵐=5時間コースは、ヘヴィーな夜になりそうです。 真夜中にはすっかり消耗していることでしょう。
WOWOW 4月24日(日)15:10〜「サハラに舞う羽根」 M&C放映と同じ日に、吹替版と字幕版の間の時間帯に放映されます。 この日は19世紀イギリスのfar side of the world特集なのでしょうか? こちらは1884年のアフリカ・スーダンを舞台にした英国陸軍の話。 主人公ハリーはヒース・レッジャー。監督は「エリザベス」のシェカール・カプール
この映画については昔(2003年9月27日)の日記で感想を書きました。 このページからリンクを張らないのは、これが「未見注意」だからでして、ねたばれや先入観を気になさらない方はお読みください。
元になった原作の映画化…という点ではちょっと辛い点をつけましたが、当時の英国および最前線であるアフリカの再現という点では、映像的に見事だと思います。 ヒロインのエスネ(ケイト・ハドソン)をめぐって三角関係になる、ハリーの親友ジャック役ウェス・ベントレーが特に後半すばらしい。でもアフリカでのハリーとジャックの最初の再会は、原作通り(市場での再会)にやってほしかったな…と。
原作はA.E.W.メイスンのThe Four Feathers、創元推理文庫と角川文庫から「サハラに舞う羽根」の邦題で翻訳が出ています。 メイスンは映画「ネバーランド」の主人公になったジェームズ・バリーと同時代の作家で、バリーの親友だったのですが、知名度がいまひとつの為、先日公開の映画では友人役をコナン・ドイルにとられてしまいました。 自叙伝は残しておらず、「私の伝記は私の作品の中にある」というようなことを言っていたそうですが、英国冒険小説作家の例に漏れず、スパイ経験者だったようです。
1884年が舞台の「サハラに舞う羽根」が執筆されたのは1902年。日本で言えば明治34年ですか? 19世紀後半のの英国軍を描いた作品には、例えばフィリップ・マカッチェンの荒海の英雄ハーフハイド・シリーズ(ハヤカワ文庫NV)などがありますが、20世紀後半に書かれたハーフハイドと異なり、実際に19世紀末に生きたメイスンの原作には、同時代人にしか出せない時代の空気…もしくは品格があるように思います。 国は違うのですが、ハリーやジャックを見ていると「あぁ明治の男だなぁ」と思う。明治の男の気概と品位があるのです。
よろしければ是非、当日はこちらの映画も見てみてくださいませ。赤海老の陸軍さんですけど。
2005年04月01日(金)
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