Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
医者の不養生?――「ウィンブルドン」記者会見
ポール・ベタニーの次の主演作品「ウィンブルドン」が欧米で8月末から順次公開となり、関係記事が新聞などに載り始めました。
その中であら?っと思ったのが、デイリー・テレグラフ紙のこの記事。
8月30日にロサンゼルス・ビバリーヒルズのフォーシーズンス・ホテルで記者会見を開いたポールはインフルエンザでよれよれでした。ホテルへ往診を呼び、薬をもらってから臨んだ席で、 「僕はたいへん具合が悪いので、マスメディアの世界を内から崩してやろうと思っているんだ」 と、咳をしながらもジョークを一発。「僕は(ぼーっとしていて)、なんだか別人の頭が乗ってるような気分だから、あなた方が後で気分が悪くなっても、僕を許してくれよ」
久しぶりに聞くと嬉しいですねぇ、彼の毒舌。 M&C関係のインタビュー記事があちこちの紙面を飾っていた去年の秋、ファンサイトに紹介されたある記事に「この記事には新しい情報は何ひとつ載っていないが、ポールの言うことはいつも面白い」とコメントされてました。 そういう人よね、ポールって。
ところで、この会見で思わぬことがもう一つわかりました。 ポールは、ちょうど同時期にロサンゼルスに来ていたラッセル・クロウと会う約束をしていたらしいのですが、彼が殆ど出ない声で「僕はすごく具合が悪いんだけど、それでもかまわなかったら来てみないか?」って言ったら、ラッセルは来なかった…のだそうで。「彼のところには赤ん坊がいるから、そんな危険は冒せなかったんだろう」
あらら、この二人って、忙しい互いのスケジュールを連絡しあってランデブーするほど仲が良かったんですか? 確かに去年の記者会見では息がぴったり合って、掛け合い漫才まがいの間合いではありましたけれど。撮影中はポール、日曜ごとにチームワークを奨励するラッセルを置いて、ロサンゼルスのジェニファー・コネリーのところに通ってたんじゃなかったでしたっけ?
まぁFOX社がM&C続編を検討しているというこの時期ですから、ちょっとでも会って話しでもしてくれたらプラスに働いていたかも…などど、ファンとしては考えてしまうのですが。
でもラッセルはどうしてロサンゼルスにいるのだろう? 次回作「シンデレラ・マン」(カナダ・トロントで撮影中)はクランクアップしたのかしら?
しかし子供に風邪を伝染してはいけないからと出てこないところが、ラッセルはお父さんですね。 これがジャックだったら、ほいほい出て来ちゃうでしょうけどね。それでもってアシュグローブ荘に風邪を持ち帰り、小さいセシリアと双子が時間差攻撃で熱を出して、ウィリアムズ夫人は「おぉいやだ嫌だ、私に伝染って肺炎にでもなったら大変じゃないか。まったく老人に対する労りの無い婿だね」…とかなんとかブツブツ言って、子供の看病と親の嫌みでソフィーは大変お気の毒。 …違いますね。
それにしてもポールがドクターを往診に呼ぶというのは苦笑ものかも。 でも彼も、自分の子供達のことはちゃんと考えているようです。 「ウィンブルドン」のプレミアは、9月1日がオーストラリアで、その後がロンドンのようですが、オーストラリア〜ロンドンは23時間フライトになるので、彼は奥さんのジェニファーと子供たちについては、アメリカからロンドンに直行させたとのこと。
ところでその映画「ウィンブルドン」ですが、ベタニー演じるピーター・コルトは、落ち目のイギリス人テニスプレーヤー、ワイルドカードでウィンブルドン出場を果たし、そこでキルスティン・ダンスト演じるアメリカ期待の新星リジー・ブラッドベリーに出会う…これはラブコメディだそうです。
監督のRichard Loncraineにとって一番の問題は、ベタニーとダンストが全くのテニス音痴(hopeless tennis player)だったこと。 そこで1987年のウィンブルドン・チャンピオン、オーストラリア人のパット・キャッシュが呼ばれ、数ヶ月二人に付ききりでコーチをした結果、二人はなんとか様になり(respectable tennis player)、さらに特殊効果撮影が残りの仕事をしてくれた結果、最終的にはウィンブルドン・プレーヤーらしく見えるようになった…のだそうで。 …この表現は新聞記者の地の文をそのまま引いているのですが、ポールの毒舌から起こしているに違いない。
ところでこれは別情報からなのですが、この映画のどこかに、「ホーンブロワー」のペリュー艦長ことロバート・リンゼイが、カメオ出演している…とのこと。 ニコラス・コスター・ワルドウもクレジットされてますね。「ブラックホーク・ダウン」の物静かなデルタや、「エニグマ」のポーランド人暗号解読者などが印象的な俳優さんです。 それから、LOTRでセオデン王を演じていたバーナード・ヒル…はエドワード・コルト役ですから、ひょっとしてベタニーの父親か…ともかく身内の役になるのでしょう。
日本での公開がどうなるのか、まだよくわからないのですが、ぜひ見てみたい映画になってきました。
2004年09月02日(木)
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