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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
dot the i (ねたばれ無し)

ガエル・ガルシア・ベルナル、ナタリア・ヴェルニケ & ジェームズ・ダーシー
「dot the i 」を見てきました。
う〜〜ん、やられた!
久々に映画を見て「やられた!」と思いました。

まだ今年は4ヶ月残っているから、この時点で言うのは早いかもしれないけど、私的にはこの映画、今年のベストかも。
最高級の映像ミステリー。
ミニシアター作品独特の、良い意味での「毒」がある。
ただし、映画の構成とか作りとしてね。感動したからベストというわけではないの。

この映画にはいろいろな仕掛けがあって、予告編やキャッチコピーもその一つ。
良い意味でいろいろと裏切られました。
だから、これからご覧になる方には、何をどう…とは私の口からは言えない、口が裂けても言えませんが、
映画鑑賞中は、自分も一緒になって謎を解くつもりで、考えながら見てください。味わいながら、推理小説のページを繰るように。
それから役者さんたちの演技を丁寧に見て記憶に残しておいてくださいな。そこに真実が隠されているから。

ジェームズ・ダーシー、…上手い。
これだけの幅と深さと複雑さを兼ね備えた俳優さんを、サプライズ号一の常識人プリングスにしておくには勿体ないと思ってしまいました。
もっとも、艦長と先生のみならず、個性的な航海長やら二等海尉やらの中にあって、きちんと存在感を主張していたところがさすがなのか。

一部ではダーシーに食われたと評されているガエル・ガルシア・ベルナルですが、役としては彼の演じるキットの方が難しいと思う、彼のきめ細かな演技があってこそ、最後に真実が見えてくるので。これを見落とすと、最後にあれ?っと思うでしょう。だから推理小説を読むように丁寧に見てね…というお願いなんです。

ところでガエルの次作(というのかしら? 日本での公開順がどうなるかわからないのですが、ともあれ次に撮影に入る作品)は、スペインの海洋歴史モノなんですよね。以前にちらっとご紹介した、ヴィゴ・モーテンセンの「エル・カピタン・アラトリステ」。
「dot the i 」の撮影中にマストの登り方なんかもジェームズに教えてもらったりしたのかしら(笑)?
ともあれこちらも楽しみです。


2004年08月13日(金)