Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
怒海争鋒 極地征伐
「怒海争鋒 極地征伐」 これはいったい何だと思われます? 実は「Master and Commander; Far Side of the World」の中国語訳です。 中国語の映画タイトルについては「星球大戰 複製人侵攻」(スターウォーズ・エピソード2)の時に映画以上のこわさに驚いたものですが、今回もなかなか…。 海洋小説のタイトルが「決戦!○×」調になってしまうのは、東アジアの一般的傾向なのでしょうか? 突っ込みを入れさせていただければ、ホーン岬、ドレイク海峡は南緯60度にも達しないので、サープライズ号は南極圏を航海するわけではないのですが。
「M&C」公式ホームページの中国語版が稼働しました。 簡体字ではなく繁体字(日本で言う旧字)の中国語なので、香港・台湾向けと思われます。 日本人にもある程度はわかります。
というわけで、本日はテスト問題を。 以下の中国語に、日本語訳または英語訳をつけなさい。 1.皇家海軍 2.幸運船長傑克歐布瑞 3.馬杜林(医官) 4.歐布瑞船 5.地獄號 6.軍官 7.准尉 8.水手 9.装砲甲板 10.加拉巴哥島
回答 1.英国海軍といよりRoyal Navyと英訳した方がわかりやすいでしょうか? かつての香港警察は皇家警察(Royal Police)だったので、これはわかりやすいかもしれません。 2.Capt. "Lucky" Jack Aubrey。ジャックのことです。 3.マチュリン(軍医)。中国人らしい名前ですね。きっとスティーブンは喜ぶことでしょう。彼は現代だったらきっと、喜々として名刺の裏に中国語名など刷り込むタイプではないでしょうか? 4.サープライズ号。これはちょっと難しい。 5.アケロン号(敵仏艦)。アケロン号の名の由来は11月10日の日記でご紹介していますが、アケロンは正確には、地獄に流れている川の名前です。…ということは正確には「三途の川」が正しいのではないかと思うのですが(仏教の経典は中国語から訳している筈ですから、三途の川は三途川ですよね?違うでしょうか?) 6.士官。7.准士官。8.水兵。のことです。微妙に日本語と異なります。 9.gundeck。日本の海洋小説では「砲列甲板」と訳されています。これも微妙な違いが面白い。 10.ガラバゴス島のことです。
この中国語HPには他にもいろいろ発見があります。やはり日本語との微妙な訳語の差違がいちばん面白いですね。 「任意射撃」という文字が画面に流れるのですが、これ英語では「As she bear, Fire at will」。日本の海洋小説では「狙いのつき次第、各個に撃て」という訳になっていると思います。こうしてみると、中国語って実に簡潔!と感心します。
それにしても、中国語のHPが稼働したということは、台北か香港でも近々この映画が見られるというわけですね。 あぁ日本ばかりが取り残されていく。 太平洋の彼方(アメリカ)ならあきらめもつくのですが、飛行機で1時間飛んだ先では上映されているのだと思うと、なかなかに納得のつかないものがあります。
2003年11月12日(水)
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