Sail ho!
Tohko HAYAMA
ご連絡は下記へ
郵便船
|
|
Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
ジャマイカン・ナイト&「Lobscouse and Spotted Dog」
先日、友人たちとラム酒を飲みに行きました。 友人たちが、レディースデーにx回目の「パイレーツ・オブ・カリビアン」を見に行くと言うので、じゃぁその後会っておしゃべりしよう…と, 私も仕事が終わった後に合流。どうせならカリブ料理でラム酒なんぞ飲んでみるのもよいのではないかと。
ネット検索で探したお店はジャマイカ料理、東京・渋谷の「ロシナンテ」というお店です。 ロシナンテのURLはこちら、 http://www2.odn.ne.jp/rocinante.com/index.html
中南米各国の地ラムを取りそろえたお店で、一口にラム酒と言っても色も味もさまざま。コクと甘さが舌に残るヘビーなものから、ほとんどバーボンウィスキーと変わらない(ラム酒としては)ライトな味わいのものまで。皆で一口ずつ回し飲み。
週の半ばで、翌日もバリバリに仕事だったので、私は比較的軽めのライム割り…ならぬジャマイカン・ダイキリとか、モヒート(ヘミングウェイの愛したカクテル。ラムベース+ライムジュース+ミント)など飲んでいました。モヒートはさっぱりしていて、辛口好きの方にもおすすめです。
実際問題として、18〜19世紀前半の船乗りたちが飲んでいたラムのライムジュース割りというのは、どのようなものだったのでしょう? 「Lobscouse and Sptted Dog」という本があります。この本はオーブリー&マチュリン シリーズに魅せられたアメリカ人の2人の女性が、「いったいLobscouseとかSpotted Dogというのはどのような料理なのかしら?」と疑問を持ったことから始まりました。彼女たちは当時の(英国の)古いレシピを探し、現代のアメリカで、ジャックたちのテーブルに上った料理を実際に作ってみようとしたのです。その努力の結果が1997年に出版されたこのペーパーバックでした。この本の出版元は、アメリカでオーブリー・シリーズを出版しているW.W,Norton & Company社、当時は存命だったパトリック・オブライアン自身が、彼女たちに敬意を表して献辞を呈しています。
「Lobscouse and Spotted Dog」 Anne Chotzinoff Grossman & Lisa Grossman Thomas W.W.Norton & Company 1997, ISBN:0-393-32094-4 pbk., $16.95 この本はアマゾン・ジャパンから入手可能です。
というわけで、オーブリー&マチュリン シリーズに出てくるラムベースのお酒の数々、この本によれば以下の通り。
☆水割りラム酒グロッグ(Grog) 3巻「特命航海、嵐のインド洋」(上)P.265 ラム1/2カップ、水1+1/2カップ、レモンのしぼり汁 大さじ2、砂糖 大さじ2、 お好みで、ショウガのすりおろし 小さじ1、コチニール 小さじ1/4 を混ぜ合わせて飲みます。
☆ラム・パンチ(Rum-Punch) 2巻「勅任艦長への航海」(下)P.61 レモン1個、ラム1カップ、ブランデー1/4カップ、角砂糖1個、砂糖 大さじ2、熱湯2カップ (1)角砂糖でレモンの皮をよくこする。 (2)レモンは、皮をむいた後に、絞る。 (3)ソースパンにレモンの皮、ブランデー、ラム、砂糖を入れ火にかける。 (4)レンジからずらして鍋に火を入れ(2分ほど)アルコール分をとばす。 (5)きっちり蓋をし、火を消す。レモンのしぼり汁、熱湯を加えてよくかきまぜる。 (6)そのまま5〜10分ほど置くと出来あがり。 角砂糖は1個なんですが、アメリカの角砂糖の大きさがわかりません。 日本のものより大きい可能性大、氷砂糖の可能性もあるかもしれません。ご注意ください。
☆レモン・シュラブ(Lemon Shrub) 8巻「Ionian Mission」に登場 ラム2カップ、砂糖3/4カップ、レモン皮1個分、レモンのしぼり汁1/2カップ (1)すべての材料を合わせ、よくかきまぜた後、ビンに入れて冷暗所に1週間置いておく。 (2)飲む時は、熱湯で2〜3倍に薄めてください。
この本には、3巻でバビントン君たちが食べてしまった「ネズミのソテー、オニオンソースがけ」のレシピもあるのですが、そちらはまた後日。あ…そうそう、このネズミ、英語ではマウスではなくてラットなので、かなり大きいネズミだと想像してください。ハツカネズミのようなものを想像されませんように。
2003年09月20日(土)
|
|