セキセイインコ ゴン助の精巣腫瘍闘病記録
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深夜。
様子
元気はないが穏やかに寝ている。水しか出なかった糞も 固形になっている。まだ少ないが。 多少排せつしづらいようにも見える。
羽はふくらませているまま。就寝前少し鳴き、しゃべった。 穏やかに寝ているのは、昨日程辛くないのだろう、と 素人判断ながらホっとする。エサも自力でついばみはじめた。 スポイトのフードをとても嫌がる。嫌だ、と叫ぶ時の鳴き声は けっこうしっかりと鳴く。 嘔吐も収まったまま小康状態。
下半身、よく見るとバランスが悪くボテっとしている。 そのわりにやせたようにも見える。
ケージの入り口を開けてやったら自分で出て来た。少しだけ 遊んでいた。以前は顔を近付けると、すぐに飛んで来たが さすがにその体力はないようだ。 朝になったら、病院へもう一度連れていく。
朝
餌をつまんでいる。いつもと同じ時間。症状は落ち着いて よく動いている。一見いつもと同じ様子。 8時30分に病院へ。
鳥専門の先生。一目みて『女の子ですか?』と聞かれる。 もしメスならば腫瘍が卵の可能性がある、と。 しかし7年一度も卵など見なかった。 ハルクインという品種はオスとメスの見分けがつきにくい。 しかし、ゴン助はやはりオスのようだ。
ろうまくがメスのものにそっくりな、ホルモン異常。
診断
多分、精巣の肥大腫瘍、とのこと。 獣医師曰く『助けてあげられる病気ではありません....』 セキセイが一番多くこの病気になるとの説明。 メスであってくれたなら、処置の仕方もあった、と。
短くて一か月、大体半年だと告げられた。
今後の処置。
最後まで自力で食べ、痛みのないままで終われるように 薬と環境で、延命をはかる。 嘔吐は精巣の肥大で胃が圧迫されているせいだ、と 胃薬、肝臓の薬、ビタミン剤、抗生物質を処方される。 今度の日曜日、来院するよう言われる。
それまで毎日体重を計って、減らさないように、と 注意を受けた。昨日と今日で1グラム減っている、と。 食べている姿を見て安心していたので驚く。
料金、糞の検査と薬代で4000円。
食餌の注意
塩土と色のついたボレー粉は駄目。弱った胃を刺激する。 甘いビタミンシロップ。値段を聞かれて1000円前後、と 答えると、本来きちんとしたビタミンならその値段では 出せないはずだからやめるように言われた。
甘くてゴン助の大好物だったが仕方ない。 甘いものは胃に負担がかかる。その分ビタミンは 野菜の小松菜をあげたり、にんじんなどで補給できる、と。 薬にも配合しておく、と言われ納得する。
小松菜は自家栽培で大好物。収穫できない時期は買うが これはあまり食べない。種をまいておこう。
主食はいつもの物。皮付きのフード。
もうすぐ動くのをおっくうがる可能性があるので 止まり木を下に下げ、餌入れはあちこちに置いて 動けなくても食べられるように指示される。
環境
玩具のブランコを外すよう指示される。ゴン助がとても 大好きでいつも乗って鈴を鳴らして遊んでいたものだ。 胸が痛い。洗うために外しただけで、返せ?戻せ?と 騒いでいた。鈴だけは付け替えて残して良いと言われる。
素人にはせめて大好きなおもちゃくらいずっと置いていて やりたいが、ブランコから、下の止まり木に移ろうとして 落下、ショック死のケースが多い、と説明された。
肥大した腫瘍はただでさえ臓器を、圧迫している。
止まり木も下に移し、ケージに高さは必要ない、とのこと。 いずれ、腹水などの症状が起これば止まり木につかまる 脚力も失われる、と。
ハムスターのようだがそれでも、自力で餌を食べ、痛み を感じないでいられるならば、最低限の生命力かも しれない。 現在はとても元気に見え、またイタズラも始めているけれど。
腹部の爆弾はいずれ大きくなる。
水入れ
幅の広いものは外す。恐ろしい事に動きがままならなくなった 鳥は、水入れでさえ溺死する。 ゴン助はただでさえ、頭だけつっこんでせまい水入れで 無理やり水浴びしていただけに、速攻で外した。
ガランとしたケージ。ブランコを要求して呼ぶゴン助。 こいつはまだまだ飛び回る力も残っている。 止まり木だけ元の位置に戻した。 あと一日だけそうさせてやりたい。こいつはいつも 移動はケージの金網をよじ降りている。飛び移るような 事はした事がない。
それでも仕事場で隣に置き、症状が少しでも進めば 即、止まり木も降ろす。 実際、降ろしてみたのだが金網にしがみついて離れない。 こっちの方がよほど体力が落ちそうだ。
帰宅後の様子
家人が覗けばいつもよじ登って顔のそばにくる。 (世話をしているのは私だが、ケージを洗ったり 羽の手入れをしてつかまえたりするので、遊んで やるだけの家人に特にすっ飛んでくる)
すっ飛んで来るゴン助が来ない。じっとしている。 だが、呼ぶ。顔を見せたら最後、隣の部屋へ行こうと した瞬間、大きな声で呼ぶ。 戻ってなだめる。移動しかける。呼ぶ。戻ってなだめる。 呼ぶ声にハリがある。しようがないなあ、と話し掛けると 甘えた声でピルルル、と鳴く。
犬並みになつく。顔も見分けて態度を変える。 音楽を聴けばノリノリで踊っている。
もうしばらく、この元気さを見られたら、と思う。
昨日とは見違える程元気だ。抗生物質や薬が素晴らしく 効いている。羽もふくらませていない。 さえずりが戻った。教えた言葉も出て来る。
処置した事。
抗生物質と薬剤各種をスポイトで飲ませた。嫌がって 鳴き喚く。走って逃げる。 つかまえて嘴の横からスポイトで液をたらす。なんとか 飲ませた。また嫌われたようだが。
夜も餌を食べさせるために灯は一晩中つけておく。 どうせ人間も夜型、丁度良い。少しでも多く 食べさせる事を当分目標にする事にした。
二日目の記録。安定した小康状態に人間もやや安心。 ようやく人間も眠れそうだ。人間まで倒れては 元も子もない。
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