umityanの日記
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2016年10月23日(日) 軍艦島上陸(8)

船は島に接近したり、離れたりしながら巡回した。やがて上陸の機会がやってきた。岸壁へぶつかりそうになりながら船が横向きになった。直径数十センチはありそうな大きなロープが島の杭に巻き付けられた。船が固定された。桟橋がもうけられ、我々は恐る恐る橋を渡った。上陸だあーーーー。

なにやらトンネルみたいな所をくぐり抜けると、そこが集合場所だった。案内人のお兄さんが、我々を引率し、なれた口調で、眼前に見える遺産について説明してくれた。案内のコースには柵が設けられているので、建造物の近くまでは行けない。と言うより、おびただしい岩石やら、瓦礫類があちこちに散在しており、中に入ることは危ない。かろうじて建っている建造物は今にも崩れそうなたたずまいを呈していた。あな、恐ろしやである。

案内人のお兄さんが言う。「これらの建造物は、当時の最先端の技術で作られたもので、風雪、荒波に耐えて今日まで残っている。だが、しかし、ばっと、もう修復は出来ないらしく、後は自然に崩壊するのを待つだけ。従って、軍艦島に上陸できなくなる日も近いかもしれない」と。我々は「うんんんん、さもありなん」と首を縦に振った。

数カ所の見学地点を案内され、のび太君やネズミ男君は、われ一番乗りと廃墟となった建造物をカメラに収めた。もち、この僕ジャイアンもだ。一抹の寂しさを覚えた。「おごれるもの久しからず。ひとえに風の前の塵におなじ」。平家物語だったか?。そんな文章があったっけ。

ひととおり、コースを巡り、戻りかけていると、違う船に乗船してきたらしい、見学者の一行と出会った。案内人が言う。「あちらのコースの人たちに紛れてはいけませんよ。はい、一列になって私の後について来てください」と。思わず笑ってしまった。旅に出ると、必ず違う旅行者の団体と出会う。従って、迷子にならないように、胸に「仲間の一行ですよ」という目印のワッペンをつけるようになっているし、かつ、案内人が旗を持って先導する。

そうこうしながら元の集合場所に戻ってきた。ここで、写真撮影があった。60名の者が横一列に並び、「はい、チーズ」でぱちりだ。料金は無料。写真はネットで見れるとのこと。

上陸時間は数十分だったか?。再び船に戻った。今度は早く船に乗り込んだので、階下ではなく、5名が1階部分に陣取った。船内で、世界文化遺産「軍艦島上陸記念証明書」という確定日付入りの書類が渡された。なるほど。これはまさに水戸黄門の印籠を彷彿とさせた。「この証明書が目に入らないか。ひかえおろと、言ってみたいぜ」と、ネズミ男が言った。「は、は、はあーーーつ。恐れ入ります」と、これを見た人が地面にひれ伏すやも。「あっはっはあーーーー。ありえない。ありえない」と、とっちゃん坊や達は爆笑だ。

船は波しぶきを上げながら、高速で船着き場へ戻った。幸い天気は小康状態で、ラッキーな軍艦島上陸となった。とりもなおさず、「百聞は一見に如かず」である。




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