umityanの日記
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2016年10月06日(木) ペンギン水族館にて(2)

車はいくつものトンネルを抜け、順調に走った。いやああ、目的地にたどり着くまでに、トンネルの多いことよ。僕ジャイアンはトンネルが苦手だ。まず、空気がよどんでいること。心配性の僕ジャイアンは壁や天井が崩落しはしまいかと、おびえていること。昼間でも、前方がよく見えないこと。あげればきりがない。出口が見えるとほっとする。

そこで、僕ジャイアンは皆の気持ち、いや、自分自身の気持ちを落ち着けるために、クイズを出した。「皆さあーーーん、豚君はどこで寝るでしょうか?」と、問うと、「何、それ?」と、この問いを馬鹿にしたような表情。

ネズミ男君が、「わかんなあーーーーーい」と、おどけて言うので、僕ジャイアンは声、高々に「トンネルでえーーーーす」と応じた。いやあ、確かに愚問だ。誰も笑わなかった。

そうこうするうちに、車の左手前方に「ペンギン水族館入り口」と言う看板が目に入った。そうそう、僕ジャイアンは間違えていた。立ち寄るのはペンギン村ではなく、ペンギン水族館だった。

車は左折して、駐車場に停車した。ここから歩いて会場まで行くようだ。曲がりくねった山道をてくてく歩くこと数分。山道の両脇には木立や雑草が茂っている。「こんな所にペンギンがいるの?」と、随行者の一人が言う。そのとき、ネズミ男君が、何を思ったか、「雑草を刈りゃいいのに」と言う。同感だ。ネズミ男君や僕、ジャイアンには、日頃、振り回している草刈り機械が恋しいのだ。「旅から帰ったら、たっぷり仕事はありまっせ」と、ジャイアンが言うと、ネズミ男君は、にっこり笑った。

水族館の入り口にたどり着いた。「へえーーーーー、こんな所にペンギンがいるんだ」と、皆はいたく感動。中に入ると、ガラス張りの水槽の中で、魚類が回遊している。小イワシや、タツノオトシゴ、クラゲ、サメのごとき大型魚、金魚、メダカ、熱帯魚のような魚。何でもあれだ。一通り見て回り、「ペンギンちゃん、どこどこ?」と。奥に進んでいくと、いました。いました。フェンスで囲まれた大きな野外ステージに、あまたとペンギンがいました。泳いでいる者あり。床を歩いている者あり。歩いている様は実にかわいい。肩を左右にふりふり、足は、がに股で、チョコチョコ歩く。

ここで、ネズミ男君が失礼な一言をジャイアンに浴びせた。「あんたの歩き方にそっくりじゃん」と言う。「むかーーーつ」ときたが、ここは冷静に冷静に。


ところで、「ペンギンのしショーってかあるの?」と、いぶかしがっていると、なんと、飼育員さん達が数名、ステージの中に入り、合図をすると、ペンギンたちが一斉に集合し、彼らの口の中に飼育員さんが魚を放り込むわけだ。ペンギンたちは、うまそうに魚を飲み込む。なるほど、これがショーか?。さすがにペンギンたちはえさをやる人、飼育員さん達にはなついているようだ。

まあ、初めて見たペンギンたち。かわいいじゃないか。と、そのとき、のび太君が何を思ったのか、白魚のような?人差し指、いやいや、小イワシのような人差し指?を一匹のペンギンの頭付近に差し出した。頭でもなでたかったのだろう。そこまではよかった。その瞬間、ペンギンが彼の指をつついた。目を疑うほどの早さだ。のび太君は「あたたたあーーーー」と、声を上げ、つつかれた指をしゃぶった。大事に至らず幸いだ。僕たちは「おおおおつ、怖っ」と、その場を離れた。

まあ、こんなあんばいで、とりあえずペンギンをカメラに収め、水族館を後にした。「さあーー、昼飯を食いに行こう」と、ペンギンの食事に感化されたのか?、皆の頭の中は、ご馳走の妄想でいっぱいのようだった。車は市内へと向かった。







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