umityanの日記
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| 2007年12月16日(日) |
僕らの旅パート12。 |
僕たちは最後のワイン工場を求めて車を走らせた。三件目である。ほとんどの工場が通路から横道へ入る。門をくぐると駐車場があり、建物がおごそかに建っていた。僕たちは例によって、試飲を試みた。今までと違いやや口当たりがよかった。「これは相当にいいよ」とガイドの運転手さんが言うので、勧められるままに、ネズ君と僕は一万円相当の物を一本ずつ買ってしまった。後で、そっと、耳打ちされたが、ここの販売員さんは同性愛者であるとのこと。「ガイドさんは何でもよく知っているぜ」とあらためて感心した。ここで、方丈様(宿泊所の家主たる住職様)への土産が出来た。
既に午後を回っていた。僕たちは適当な場所で昼食をとり、帰路の途中でアウトレットの市場へ立ち寄ることになった。ブランド品や洋服や貴金属類の商品が山のようにあるという。どうも、のび太君やドラえもん君はここで、山の神や従業員達への土産を調達したいらしい。ブランド品と聞いても僕は全くの門外漢だ。
アウトレットの市場は中心が駐車場で、その廻りをドーナツ状に店舗が取り囲んでいた。僕たちは端のほうからぐるりと一巡した。とある店舗でドラえもん君と、のび太君が真剣に商品を見ていた。なんでも、「コーチ」というブランドのバッグを二人とも買ったようだ。「コーチねえーーー。土佐の高知じゃあるまいし、知らないなーーー」と、僕は全く触手が動かなかった。恐らく、彼らは、旅行へ行く代償として、山の神から所望されていたのだろう。「一体いくらだったの?」と聞いたが、二人とも値段は教えてくれなかった。山の神にばれるのを恐れたのかどうかは知らないが、まああいいか。後悔先に立たずだが、僕も買っておけば良かったと今、悔やんでいる。
車は一路、集合地点を目指して走った。日も暮れかからんとする頃、町中へ入った。ツアーの同乗者である家族ずれを最初にホテルで下ろした。別れを惜しみつつ、再会をの弁を述べた。車内は僕たち四名のみとなった。車はホテルではなく宿泊所のある駅まで送ってくれた。ありがたいことだった。僕たちはテクテクと歩き、宿泊所へ。
まだスネ夫君は帰ってきていない。僕たちは坐禅堂で荷物の整理をしたり、ゴロゴロしていた。やがて、スネ夫君が戻ってきた。開口一番、「今日の夕食は奥様の経営する寿司バーへ行くべー」と言う。「ええーつ、うそーー、本当ーーー」と、僕たちは思わずはしゃいだ。寿司バーは港の近くにあり、電車で行くことになった。20分程度電車に乗り、そこから歩いていく。既にスネ夫君は目標を地図で確認済みだ。例によって、下駄を「カランコロン、カランコロン」と」言わせながら僕たちを先導していく。10分ばかり歩いただろうか。 とある店舗の前で立ち止まった。そこには大きな看板が出ていた。「ここ、ここ」と、スネ夫君は言って、店の中へ入っていく。
店内はかなりの広さで、通路を挟んで長い弓なり状のカウンターと、かなりの数のテーブルが設置されていた。ほぼ、満杯状態である。奥様の計らいで、カウンターに僕たちの席が設けられていた。きれいどころのお姉様がメニューを聞きに来て、僕たちは各々、好きな物を注文した。飲み物はビールを注文。 頃も良く、奥様が登場。「味はどう?」とにっこりしながら聞いてきた。「そりゃーーもう、美味い決まっている。」皆、「日本の味だーーーっ」と、盛りだくさんの料理に舌鼓を打った。「もうしばらくするとジャズホールで次のステージが始まるから、食事の後はそっちへ行きましょう」という。なんと嬉しい計らいだろう。ジャズホールは、寿司バーに併設して建てられていた。
田舎者の僕たちは、本格的な生のジャズを聴きながらワインを傾けるなんて、日本ではほとんど経験がない。「こりゃああ最高の贅沢だぜ」と皆、大喜び。僕たちはワンステージを勤める女性シンガーの声に聞き惚れながら、夢うつつ状態。帰り際、僕はシンガーのCDを一枚購入した。どうやって宿泊所へ戻ったか定かには覚えていない。夢うつつだったに違いない。多分、電車に乗り、来た道を帰ったのだろう。
帰り着いた時、門の前に一台の車が停まっていた。なんと、中からここの 家主である方丈様が降りてこられた。一瞬緊張した。フランスから帰ってきて、弟子である僧侶野方が送ってきたらしい。偶然とは不思議なものだ。ネズ君と僕は、ぱっと機転を利かして、方丈様の荷物を持ち、母屋へ運んだ。
方丈様は旅の疲れも見せないで、母屋の台所で僕たちと対面した。既に60才を過ぎておられるだろうか?。温厚で優しい顔立ちをなさっており、、いかにも人生を達観しているような風格を覚えた。事業家である奥様との馴れ初めは、いかなる事だったのか分からないが、もちつもたれつ良い関係のように思えた。僕たちはそれぞれに挨拶と御礼を述べた。方丈様に気を使わせないように、僕たちは早めの寝を取った。
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