umityanの日記
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2007年07月29日(日) 月下美人が咲いた。

月下美人が純白の大きな花を咲かせた。花言葉は「はかない美、儚い恋、繊細、快楽、艶やかな美人」ということらしい。心惹かれるものばかりだ。それにしても、実に美しい。花はたくさんあれど、この花に勝る美しい花があるだろうか?。ある。いや、ない。どちらでもよいか。さして花を知らない僕の脳裏をかすめるのは「朝顔、コスモス」ぐらいである。

もう、数年前になるか?。知人から、月下美人の葉っぱを一枚もらった。「鉢に差し込んでおくと、芽が出てくるよ」と言う。半信半疑で鉢にさしていた。どれくらいの月日がたったのだろう。すっかり忘れて世事に追われていたころ、ふと鉢を眺めると、なんと、棒みたいな茎が天に向かって伸びていた。「へえーーー」と驚きながらその成長ぶりを時々観察するようになった。

それから又、何年がたったのだろう?。どんどん緑色の分厚い葉っぱが出てきて、最近では、やまんばさんの髪の毛のようにだらりと、縦横無尽に葉っぱが垂れ下がっていた。廊下の窓際に、丸太を置き、その上に鉢を乗せている。廊下を歩くたびに葉っぱが袖に触れ、「場所はここでいいのかな?」と常々、思っていた。「緑が目を楽しませるからいいか」と自らに言い聞かせて今日に至ったわけである。

「花なんか咲きっこないなーーー」と思いながら何年が経ったのか定かではない。先日何気なく、鉢を覗くと、な・な・なんと、髪飾りにしたら、きれいだろうなと思わせる大きなつぼみが一個、垂れ下がっていた。僕は即、山の神へ声をかけると、「何事よ?」と怪訝そうにやってきた。「
見て、蕾がついたよ」と言うと、小さな目を丸めて、不思議なものを発見したかのように、「一両日で花が咲くわよ」と言う。

僕は早速、ネットで月下美人を検索した。写真入りの解説がいくつもあった。「なるほど、そういうことだったのか?」と変に感心。メキシコ原産地とするサボテン科。夜に咲き始め朝にしぼむ。一夜限りの花。一夜限りの女性みたいだなーーと頭が脱線・・・。素晴らしい香りと甘い蜜を大量に含んでいるとのこと。そんな花であるならば、いとおしくないだろうか?。いや、実にいとおしい。

蕾を発見してから、僕はまさに夜の蛾になった。夜中、懐中電灯を持って、廊下に赴くこと数夜。かくして、昨夜見事に開花を見たのでありました。その時の感動をどう表現したらいいのだろう。僕は男だが、わが子の誕生の瞬間、いや、娘ならば一番輝いて嫁に行く時の姿を彷彿とさせるといっても過言ではない。僕は静まらぬ心のままベッドへ入った。朝起きたとき、まだ、花が開いていることを念じながら・・・・・・。

目がさめベッドから起き上がった。山の神はすでにお目覚めのようで。階下で、ゴトゴトと、物音がしていた。僕は階段を駆け降り、開口一番に「花はまだ咲いている?」と尋ねると、「もうしぼんだわよ」と、あっけない返事。いやーーーー、全く女性はデリカシーがないぜ、とおもいつつ鉢を覗くと、確かに花はしぼみ、つぼみの状態に戻ったかのようだった。首はうなだれて、さびしそうな光景だった。それでも、なお純白のドレスをまとい、かすかな芳香を放っていた。花の女王たる風格はまだ健在だ。僕にはそう思えた。

月下美人。なるほど、月下美人だ。満月の夜に花開き一日で、花を閉じる。美人薄命とはまさにしかり。「のうのうと鼻息を荒立てている山の神とは大違いだぜ」。うんんんん・・・・さすがに僕もそこまでは言えなかった。

とりもなおさず、今年の十代ニュースの一つとして、備忘録の一ページを飾ることに間違いない。花の命は短くて苦しきことのみ多かりき。誰かの言葉だった。あの名曲「会いたい」という歌が頭をかすめた。






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