日本語ぐるりっと便り

2002年12月08日(日) 「対話」(単なるおしゃべり・・・?) T

 教室に来て3ヵ月になるK君。ロシアから来た15歳の男の子で、週に3日通級しています。彼は、母語以外では英語を使うとより自分を表現することができます。
 一番最初に授業を受け持った私は、彼のことを知るために英語でコミュニケーションを取りました。それ以来、自分のことを色々話してくれます。
 日本語だけの授業だとこうはいきません。とかく、おとなしく従順で”借りてきた猫”のようになりがちです(もちろん、そうじゃない子もいます)。
 思考の一時停止状態といったらよいのでしょうか。それが、時々自分の思っていることが言えて、教える者との間に「対話」が成立するとしたら・・・。
 私はこれが彼の日本語学習・習得の邪魔になることはないと信じています。(幸いスタッフ間の連携もスムーズで、「英語の使用」に気をつけているせいでしょうか、彼の日本語の上達ぶりには目を見張るものがあります)
 どの子にもしゃべりたい(しゃべれる)言語があり(母語とは限らず)、それを受け止め投げ返す相手がいたらきっと良いのでしょう。
 「本音がしゃべれる」ということを大切にできたらと思うのです。
 


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