スイッチ。
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誕生日、約束通り彼は職場の近くまで迎えに来てくれた。 昔彼の友達が働いていた居酒屋さんに連れて行ってくれた。 そこは和食の職人さんが作っているお店で、 洋の中に和のテイストがあってとっても美味しかった。 彼も職業柄、食べることが大好きなので 気になるメニューがあれば注文して分解して (お店の人には「珍しい食べ方しますね。」って言われてた。笑) 自分のお店のメニューにいかせないか研究してた。 そういう貪欲なところも嫌いじゃない。 少なくのも多少の野心がなければお店なんて経営できないと思う。 育ちはおぼっちゃまなんやけど芯はしっかりして頼れる人だ。
「プレゼント何買っていいのかわからんやったけん、御馳走させてね。^^」
そうしてまた御馳走になった。 ごちそうさまでした。
マンションの近くまで送ってもらって、車を降りようとしたら 彼が先に車から降りた。
「恥ずかしいから早く持って帰って。笑」
抱えきれないくらい大きな花束をくれた。 あたしの好きな赤い花ばっかでビックリした。 男の人から花束なんて初めてもらった。 まさかはプレゼントとか貰えるなんて思ってなかったから とにかく嬉しかった。 胸がきゅーぅってなった。
メッセージカードも付いていて。 電話もメールも苦手。 手紙はもっと苦手って言ってたのに。
お世辞にもきれいとは言えない字だったけど 彼らしいあったかいメッセージで思わず笑った。
これがあたしの26回目のバースデー。
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