鬼のかけら。≫イッマムラ
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2010年05月22日(土)
日記
父方の祖母が入院して、家族と休日の合わん私だけが一人で見舞いに行くことになったわけよ。
疎遠、ってレベルじゃないくらい何年も会ってないの。
それどころか一族で大ゲンカして、そっから会ってないの。
ひどい話、病院に行くタクシー内で友人に10分で出てくるからそのあと遊ぼう、
なんて約束までしたくらい。
赤の他人よりも気まずい距離の私と祖母。
病院に入ったら10分で帰ってこよう。
わざわざ入った時間を確認して早足で病室さがしてさあ。
半分ボケてるらしいしなー、って特にかける言葉も用意せず中に入ったわけよ。
そしたらやっぱりベッドの名前探さな私も祖母の顔なんかわからんの。
ガリガリに痩せててさあ、体横にして、空中ボーッとみて、枕から頭落ちてるし。
私が顔近付けて名乗ったら

「えりかー」

って。
うれしそうにわらうの。
手をぎゅーって握られて、何回も「えりかー」って笑う。
もう17年。
そんなにもなるのに。
その時の温度を体は覚えてて。

めっちゃはずかしいことにその場で号泣。

せっかく化粧したのに。
今から遊びに行くのに。
体裁だけで来たのに。

私の手を握る骨だらけの手が力強くて、
全く涙が止まらんのよ。

出てくる予定時間は大幅に狂って、
うすく月が出てて。
まつ毛がマスカラとれて虫の足みたいになって。
こんな日も悪かないなーって思って。



まあ、ただ、それだけの話。


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