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日記
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2003年10月07日(火) : 気になる映画 『69 sixty nine』

16.00頃追伸部分加筆(#^_^#)

来春公開の日本映画がとても気になっている。妻夫木くんと安藤政信くんの映画『69 sixty nine』。原作村上龍、脚本宮藤官九郎、映画デビューの李相日(リ・サンイル)監督。

69というと、1969年という意味とともに、たぶん村上龍のことだから、エロイ意味での69も絡ませているのでしょう。原作『69』は、発売直後に飛びついて読んだおぼえがあります。

村上龍の自伝的小説。1969年という、全共闘という学生運動終焉期のムードがただよう時代に、オバカでエロで、まじめで、悲しい主人公の青春を描いたもの。

私にとっても、69年は記憶に無い頃の話。でも実は、私が入学した大学がとても特殊で、学生運動が割合と身近な存在としてあったので、ひとつひとつのエピソードが理解できて、読んでいて楽しかった。新入生がデモに参加するか否かで、大真面目に議論する風土があって、普通に学内に先輩が書いた立看板が立ち並び、ゲバ字(※)で書いたビラがとびかっていた。そんな自分の青春時代が、妙にこの原作の時代にオーバーラップする。

※ゲバ字とは、学生運動特有の特殊な字体で、必要以上に角張った、角を強調した字のことである。私得意だったんですよ、これ書くの…。ただし、あくまでも私が入学したのは80年代ですけれどね。


だから今回の映画化がとっても気になる。原作の面白さがどのくらい表現できるのか、お手並み拝見という感じです。たぶんこの映画を面白いと思う人って、たまたま青春時代の環境が似ていて、それに感情移入できる、一握りの世代の人だけなのかもしれません。その世代以外の人に、どのくらい面白いと思われるのか、それが成功か失敗かの鍵になるのかもしれませんね。そういう意味でも、69年には、影も形も無かった若い世代が、創り手として監督や脚本家であることは、大事なことなのかもしれません。最高の映画になるか、とんでもない駄作になるか紙一重。がっかりしないで済む映画になることを祈りたいと思います。

追伸
村上龍は、一時嵌ってたくさん読んでいました。頭が良くて、文章がすっきりしていて、強引で、柔軟。癖があるので、好き嫌いは別れる人だとは思うのですが、私は『愛と幻想のファシズム』で、すっかり虜になり、そのあと『コインロッカー・ベイビーズ』などを次々読みました。実はとても幅広い本を出していて、小説にとどまらず、エッセイ集、対談集、恋愛本、E-メールのハウツウ本、ビートルズ本、経済の本。とても読みきれないほど出版しているお人です。結局多才で頭がいい人なんだという印象。デビュー作『限りなく透明に近いブルー』のイメージから、スマートでおしゃれかと思われがちだけれど、そればかりではない、妙に不器用で、熱い情熱の持ち主のような気がします。

嫌う人はとてつもなく嫌うでしょうけれどね。私も、考えてみたら、最近はとんとご無沙汰。今どんな本を書いているか、どんなことを言っているかも知りません。実はとんでもない人になっていたりして…。

追伸
エロイ意味での69がわからんというお問い合わせがありました。うう、なんと説明してよいのやら。ここで書く勇気はありゃしません。メールいただければ、なんとかお答えしましょう。(#^_^#)


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