このツアーの便はエールフランスだが、スチュワーデスには日本人もいる。日本航空との共同運航というアナウンスがあったが、この時間の便では、行きはほとんど日本人だからそういうこともあるのだろう。 フランスの人は日本人と違ってとても明るい。仕草ひとつとってもユーモアがあるし、話し掛ける言葉はわからないが、なんとなく心が打ち解けるようだ。見知らぬ日本人のように構えることがない。
そのうち離陸準備が整い、タキシングに入った。それにしても離陸を待つ旅客機の多いこと、これぞ数珠繋ぎの典型である。それこそ前も後ろもくっつくように滑走路に向けて動いている。 前の機が飛び立ったのだろう、私たちの機も主滑走路に入るとブレーキングをしてスロットルを前いっぱいに倒したようだ。キューンというジェットの唸りとともに機はするすると滑り出した。 少し大型の機体になるとそうなのかはわからないが、どうも加速時に受けるGが物足りない。離陸も知らぬうちにふわっと浮いてしまっている。
機はあっという間に上空に上っていった。
〜つづく〜
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