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それじゃ伝わらない - 2004年09月20日(月)


ショートピース!に行ったら、ヨウさんは携帯を忘れてきていた。
それで会った途端に、「俺に連絡したりした?」と尋ねられた。
「まさか、しないよ、同じ時間に来るかどうかもわからないのに」と答えた時点で、わたしは既におかしかったのだろう。
それで、ヨウさんはちょっとへんな顔をしたのだろう。

次は、入れ替えで待っている間の会話だった。
苦笑いしながら言われた。
「今日はなんだか絡むなあ」
―そう?そんなに違う?いつもは?
「いつもは、そうだなあ、もっと可愛げがあるな」
―可愛げかぁ。今日はいつも以上に可愛げがないのね。おかしいかな?
「うん変だよ。テンションがおかしい。てか高い。どうした?昨日の郡山はどうだったの?」
そうかおかしいのか。
確かに、会った瞬間から、自分で言葉を選んではっきり話しているのではなく、言葉が勝手に転がり出てくる感覚があった。
そしてヨウさんは、わたしが郡山まで行ったことの意味を、おそらく最も理解しているだろう人だ。
でもヨウさんが相手なのだから、出てくる言葉は全て、ある程度以上本音なのだろうと思った。

だとしても、不必要にテンションが高いということは、何か防衛本能が働いているということだ。
そう考えると、言いたいのに、簡単には言えないことがあった。確かにあった。
そのせいだ。

しかもヨウさんは、会ってすぐに、今日はお父さんに呼ばれているから夕食はお父さんと食べるのだと言った。
わたしとゆっくり話している時間はないということだ。
それできっとわたしは、ここで話すことではない、と思ったのだろう。
と、いうよりは、始まってしまったのだろう。
「言わないくせに、わかってもらいたい」という、あれが。

結局、いつものように片平キャンパスまでくっついて行ってしまった。
途中でヨウさんが「親父のほう断ろうか?」と言ってくれたので、もういいや、と思った。
そのうえ弁解めいたことも少し聞こえてきたので、悪いことをしたなという気分になった。
もしここで、シャツの裾を引っ張って何か言ってしまったら、きっと後悔する、と思った。
途端に、きちんと話せるようになった。
これだったら、少ししか話せなくても、きっと伝わる。よかった。

これ以上、誰かに言えることは、もうない。


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INDEX
past  will





Not one night
one single day
that I wouldn't give to you
So with all my might
in every way
I'll try to forget to you

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