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きいちへ - 2004年05月09日(日)

あの日、コンサートの曲探しをしていたわたしに、きいちからあの曲のMIDIが送られてきて、わたしはそのメールを学校で開きました。
やりたいと思っていた曲が、いくつものMIDIの中にありました。
きいちもこの曲が好きなら一緒にやりたい。そう返したときのことは、わたしも、はっきり憶えています。

躊躇していたって、言ったね。
わたしもそうでした。
どう探しても譜面がなかった。それにリズムも音色も、900を使うのでなければきちんと上げられないだろうということは、容易に判断できた。
そして何より、この曲を仕上げるならば、曲を知っていて、好きだと言ってくれる人と、一緒に創りたかった。
Tank! がそうだったように。Last Train Home がそうだったように。

だから、きいちだったら、よりによってこのアンサンブルに個人的な感情を持ち込んだわたしのことを、きっと理解してくれると思いました。わたしが我儘を言ったのできいちが困っていたこと、知っていました。ごめんなさい。
結局その願いは叶わなかったし、わたしの唯一の心残りとしてその場所に残りました。それは、完成したいくつもの環の中に残された、たった一つの線であり、棘でした。


でも、演奏し終えて思いました。
満たされた、と。
あのとき残った線も、この先避けつづけなければならない棘も、どうでもいい。
願いが叶わなくてよかったとさえ、思いました。
線も棘も、そこに在り続けるけれど、わたしはもう、それが環になることも、棘でなくなることも、望みません。

ひとつの悔いもなく、確かに自分たちの手で完成させたものを、見せるべきところではっきりと見せる。
これがどれだけ大変か、きいちももうわかっていることでしょう。
あれは、滅多に出会うことのできない、よいアンサンブルでした。
こういうときにこそ、音楽の力を、知ることができるのだと思います。


きいち、ありがとう。
心から感謝しています。


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INDEX
past  will





Not one night
one single day
that I wouldn't give to you
So with all my might
in every way
I'll try to forget to you

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