「親知らず抜きました」

わたしは親知らず、上下左右、完璧に生え揃っています。生え始めたのは十九の時で、親知らずとのお付き合いも割と長く。抜きましたよ。取り敢えず先に右上だけ。

最近の日本の特に女性は顎の細さに比べ、歯が完璧に生え揃い過ぎていると聞いた。疲れた時は特に歯の軋む、あのぎしぎしした違和感がとても厭で、前から気になっていたので、思い立って何年かぶりに歯科へ。歯を抜くのは午前中の方がいいのでと言われたけれど、我慢ならなかったわたしは直ぐに抜いて貰う事に。相変わらず嫌なあの音にドキビクしながら。

すぐに終わればよかったのだけど、幼少期に毎日摂取していたカルシウムが見事に行き渡っているのか、頑丈な親知らずに悪戦苦闘。先生も次第にイラつき、抜く作業よりも唇の端が切れていく方の痛みに耐えていたのだった。

抜けた時は本当に「おつかれさま」という感じで、先生に申し訳なく思った。お陰様でスキーリ。まだ少し歯茎が腫れてはいるのだけどスキーリ。抜こうかどうしようか迷っている人は抜いた方がいいです。全然痛くないし。なによりもこうしてスキーリ。


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