「旅の効能」

旅というものは勿論、現地の空気に触れて心の洗濯をしたり出来るが、わたしの場合たぶん行き先はどうでもいい。ただ、日常性から離れて心に浮かぶものを見たい。それは過去の記憶の枯葉を集めて焚火をするようなものでもあり、その枯葉の中から宝物を拾い出すようなものであったり。

過去の切り口が反射する現在と未来の眺め。それをゆっくりと見つめられる時間。景色や記憶。新しいものを手に入れるという事で続いていく幸福をわたしは其処で再度確認する。今回の短い時間の中でとても大切なものを自分の中に見つけられたような気がする。


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