「晩餐」

結構、ダイレクトに色々露呈してしまうのが食事の時。長く繰り返し沁みついた習慣に自身、殆ど気付けない為どのように育ってきたのか、その家庭や過程が想像され易い時間。「食事時だけは王族のように振る舞え」という事をわたしは常に心に置いているつもりでつい忘れてしまう。

昨日、いつもよくして下さるお客様に招いていただいていた家族の晩餐。イタリアンだと聞いていたので勝手に気安いものと思っていた。行ってびっくり。一日一組しか取らないような高級なイタリアンだったとは。前菜が4つも出て、彼の有名なキャビアやフォアグラも惜しげなく(フォアグラは好きではなかったのだけど)。イタメシなので流石にナイフとフォークは一組しか並んでなかったが、実はわたしはこういう雰囲気が嫌いではなく、偶に洋燈の灯るディナーでナイフをきこきこやりたい方で。でもそのご家族はかなりの食通で、ワインの注ぎ方や調理法など全てに於いて完璧であったのでわたしは日頃のドカ喰いがばれないようちょっと苦しかったりして。そんなふうにして結局、結婚式のコースよりも高級なものをいただいてしまった。

同年代の姉妹2人。わたしの家族とほぼ同じ構成。とても素敵なご家族。そんな別の団欒に混じって食事を取るという事で、自分の家族を改めてその環の外から見たような気もした。わたしがちゃんとしていないと家族が笑われるんだな。何時か誰かが言っていた言葉を思い出した。


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