「ハピネス」

何かを取り戻すように、倖せになろうと思うのは過去の苦痛を思えばこそ。けれどどこか片意地を張っているような気がしてくる。

「自分の倖せが何なのか解らない」と度々言った事があるがそれはただのフリで、「何なのか」を明確に認めてしまうのを畏れているだけに過ぎない。

既に自分にとっての至福というものをよく知っていて、それが同じ形ではどうしても手に入らないと知っている。それに今のわたしのハートが過去と同じ形をしていないから、譬えそれが同じものがあったとしても違うものとして捉えるだろう。満たされる事が倖せならば、人生でその瞬間を味わえる事は少ない。


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