三文役者
やす



 嫌われ松子の一生

中島哲也監督の前作「下妻物語」が面白かったのと、
現場で監督に怒鳴られ罵倒され続けたという中谷美紀さんが、
色々と恨みつらみを語っているのに興味を惹かれて、
ずっと前から観るのを楽しみにしていた作品。
原作も未読だしどんな物語なのかも殆ど把握してなかったけど、
先入観や余計な情報を入れずに観れたのは結果として良かった。
なのでまだ未見の方はこの後グダグダ語る内容に関しては、
読まないでおく事をお薦めします。

ヒロインの川尻松子が辿る波乱万丈な人生はとにかく悲惨で、
救いようの無いぐらいに不幸で悲劇と言っても良いぐらい。
そんな松子の一生が中島監督のハイセンスな映像と演出で、
ファンタジックなミュージカル仕立ての娯楽作品として仕上がっている。
もうこれは見事としか言いようが無いと思う。
ハイテンポで描かれるポップでコミカルな世界観の中だからこそ、
時折垣間見える松子の悲しく切ない心情が余計に胸に迫る。
月並みな表現だけど笑いあり涙ありの最高のエンターテイメント。

面白かった!
BONIEE PINKの主題歌も良かった。
あとクドカンも。

各々が良いものを目指すが故の衝突や摩擦は色々あったのだろうと思うけど、
この役を演じきった中谷さんは本当に素晴らしい女優だと思う。
監督からの罵詈雑言など撮影現場の様子が克明に記録されているという、
エッセイも是非読んでみたい。

http://kiraware.goo.ne.jp/

2006年06月16日(金)
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