2001年01月23日(火) |
D21:ドレミファドン |
【四方山日記〜その21】 ドレミファドン
21才のとき、ぶらりとひとり旅に出た。行き先は北海道。旅費をできるだけ節約しようと思って、周遊券と夜行列車をフルに活用した。当時JRには、上野発青森行きの急行「八甲田」という夜行列車があった。この話はその車中での出来事である。 たまたま隣に乗り合わせた学生が、なかなかおもしろい男で妙に話がはずんだ。とくに興味深かったのは、彼が出場したテレビ番組についてである。番組名は「クイズ・ドレミファドン」。30歳以上の方なら覚えていると思うのだが、要はイントロあてのクイズ番組である。その中で「超ウルトラ〜」というコーナーがあって、それはある曲のイントロをほんの一瞬聴いただけで曲名を当てるというものだった。まさにコンマ何秒の世界である。彼の話を聞くまでは、「あんなもん、わかるわけないじゃん。やらせじゃないの」な〜んて高をくくっていたものだ。それがどうだ。彼の話を聞くにつれ、イントロあてとはいえその奥深さに感銘さえ受けてしまったのだ。 彼の話はこうだ。まず番組に出場するためには、男女のペアの方が確率が高いという(リサーチ済みらしい)。そして、出題される曲の傾向を過去の番組内容から読みきって300曲ぐらいをリストアップする。次に「超ウルトラ〜」と同じ長さの音だけを1本のカセットテープに連続して録音し、それを毎日聴きまくるというのである。その結果、彼はこの番組で優勝し、アメリカ旅行やステレオコンポなど、総額50万円以上をゲットしたという。いやいや世の中には凄いヤツがいるもんだ、と思うと同時に自分が恥ずかしくなった。何の努力もせずに最初から疑っていたからだ。「コイツは凄い。あんな方法論を思いつくなんて。」本気でそう思った。そして何事も、戦略が大事なのだと思い知らされた。 彼の話から得た教訓。「仕事・勉強のみならず、たとえそれが遊びやギャンブルであっても、成功しているヤツはエライ。楽して成功などあり得ない。なぜならそれは、日々の努力・研究の賜物だからだ。」 世の中には、けっこういるよね。不労所得がどうのこうのって言ってるヤツ。でもね、何にも努力せずに成功は無いって。競馬やパチンコであってもね。こんな大切なことに気づかせてくれた彼。名前も忘れてしまったけど、ホント今でも感謝してますよ。
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