【音楽見聞録〜その16】 桃乃未琴
今週、久しぶりに桃乃未琴に会った。まだ大雪が降っていた頃。アイツに会うと、どうもペースが乱れてしまう。桃乃のペースにもっていかれてしまうのだ。いつだってマイペース。だけど嫌なヤツじゃない。不思議な女だ。 何年か前、渋谷のライブハウスでのこと。客席の暗闇の影から「おっちゃん」と呼ぶ声。まさか俺のことじゃないよなあと思いつつ、それとなく声の主を捜してみると、そこにはあの桃乃の姿が。おいおい、「おっちゃん」って呼ぶなよな。せめて「兄ちゃん」だ。でも正直、最初誰だかわからなかったよ。ちょっといい女系の雰囲気だったからな。はじめて会った頃は、野暮ったくて土の匂いがしてたのになあ。不覚にも女を意識しちまったよ。まあ暗闇だったから錯覚ってこともある(笑)。 そんなこんなで、付き合いはデビューの頃から。キャンペーンに来ると、アイツは決まって俺を番組に引っ張り出す。俺はあんまり出たくないんだが、アイツが出演せざるをえない雰囲気を作ってしまうから、どうしようもない。後はまな板の上の鯉のようなもの。これが俺と桃乃の距離感だ。 アイツとのはなしは、熱い内容が多い。音楽、恋愛、人生観、・・・他いろいろ。いつだってエネルギー充満状態。そういう意味では、刺激的な女だ。 最近のアイツは、音楽的にも相当充実してきてるんじゃないの。作品からもそれがビシビシ伝わってくる。だから今年は、ちょっとしたムーブメントを創って欲しいよね。機は熟したと思うから。
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