2001年01月09日(火) |
P16:近所のプール/M13:矢野真紀 |
【虎の自叙伝〜その16】 近所のプール
子供の頃、なぜか泳ぐことが好きだった。夏休みになると、一人でもプールに通ったものだ。そして泳ぐ。ただただ泳ぐのだ。 家の近くに市民プールがあった。ひざ下ぐらいの深さの子供用プールと一応大人用の25mプール。小学校の低学年の頃、その管理室の隣に売店があって夏なのになぜかおでんが売られていた。僕の地元は味噌料理が名物なのでもちろん味噌おでんだった。大きな鍋の真中に味噌ダレが入っているつぼがあってその周りを串でさした具が取り囲んでいる。その串ごと味噌ダレをつけて食べるのだ。ああなつかしい。でもその売店は僕が小学校の高学年になる頃には無くなっていた。無くなっていたといえば、僕の思い出がつまった市民プールもいつのまにか無くなっていた。去年の夏、帰省したついでに通りかかったらまったく別の建物が建っていた。なんか哀しかった。たぶん、そのプールが現存していたとしても気にもとめなかっただろうが、いざ無くなってしまうと妙に気になるものだ。ことわざにもあるように、大切なものは無くしたときにわかるというのは本当だった。
【音楽見聞録〜その13】 矢野真紀
年末年始のほろ酔い気分にペースを狂わされ、ずいぶん間が空いてしまった。今日からペースを戻さねば・・・。というわけで今回は矢野真紀嬢。我々の間では、親しみを込めて「マッキー」と呼ぶ。しかしこの呼び方が通じるのは、どうやら富山県地方だけらしい。でもそれでいいのだ。ライブ会場などで「マッキー」と叫んでみれば、どこから来たファンか一目瞭然。だから富山ではこの愛称を浸透させようじゃないか。 さてさて、そんな矢野真紀嬢。出会いは、彼女のデビューコンベンション(音楽業界におけるお披露目パーティみたいなもの)の時。どういうワケか僕は会場の一番前に座らされていた。きっと誰かの罠だろう。僕には珍しいことではない。でもこんなときは決まって視線が泳いでしまう。歪んだ視界に映るか細い足首が印象的だった。彼女はというとさまざまなプレッシャーの中でただ一生懸命に歌っていた。それが精一杯であるかのように・・・。 あれから1年半。彼女の中で何かが弾けた(と思う)。作品におけるその変化は歴然だ。そしてデビュー以来久しぶりに見るライブ。まさに鬼気迫るとはこんな雰囲気を言うのだろう。すべての人たちの視線が集中するステージ中央のスポットライト。そこに仁王立ちする矢野真紀。そうまさに仁王立ちである。彼女は何かをつかんだのだ。我々を魅了する何かを・・・。そしてその先にあるのはきっと輝かしい未来に違いない。 だから今この瞬間の彼女を我が目に焼き付けておこう。 そしていつの日か、ここ富山でライブをやっておくれ、マッキー! 今年もよろしく。
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