【虎の自叙伝〜その15】 演劇
最近まで忘れていたのだが、僕の人生の中でたった一度だけ人前で演技なんぞをしたことがあった(保育園は除く)。あれは今から20年以上前も前、中学3年生の時。たぶん卒業に関連した行事だったと思う。バリバリの主役だった。しかしこの主役、はっきり言って嵌められたモノ。朝、学校へ行ったらなぜか決まっていた。誰が何のために嵌めたのか、今もって謎である。たぶん、クラスのみんなからすれば軽い冗談のつもりだったのだろうが、当の本人からすれば一大事。だいたい昔から、人前で何かをやるなんて(歌でも演技でも)大の苦手。本番までは、まさに地獄の日々だった。途中何度も降板を申し入れたのだが、先生も笑って聞き流すばかり。ほんとマジでビビッていた。だから、本番の記憶がはとんどない。幕が開く直前までの記憶はあるのだが、それ以降はプッツンである。 いったいあれは何だったのか。記憶を掘り起こしてみてもワケのわからない出来事だった。普通、大きなプレッシャーを乗り越えたりすると、自分の中で何らかの変化が起こったりするものなのだが、そのあたりもまったく心当たりがない。ひょっとして、あの舞台に今の自分の原点があるかも知れないのだが・・・。謎である。
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