二度目の恋。
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2006年01月21日(土) 見続ける夢。

学生時代から一年に一度は必ず見る夢があって。それを、昨日の朝、見ました。ああまたコレだと思った。もう十年以上、見続けてる。

すでに作品を発表するのをやめてしまったとある作家さんの新刊を見つける夢です。それは本屋で見つけるんだったり、友達に教えられるんだったり、バージョンはいろいろあるんですが、きっちり、その作家さんのシリーズの装丁で、新しい本の背表紙が見えるのです。今回も、タイトルきっちり見た。忘れたけれど。今回のは、知りあいの家にいったら見たことのないその作家さんの本があって、「新刊出たんだ」と知るんだけれど、「その本見せてください」と言えるような仲の相手ではなかったため、中身を見たいとうずうずしながらお暇して、帰り道に本屋に飛んでいくんです。だけど、どこの本屋にもその本がない。確かに出版されているはずなのにない。探して探して探し回って……そして、小さな町の本屋の棚にようやく見つけた、その瞬間に目が覚めました。

夢だと気づいて、ちょっと笑った。中学時代に好きだった作家さんに、未だにこれほど恋いこがれている自分がおかしくて。その作家さんは、十年新刊出て無くてもずっとずっとずっとずっと自分の作品を待ち続けている読者がいるなんてことを知るはずもないんだろうけれど。そして、たぶん、そのひとの新刊はもう出ないんだろうけれど。

だけどずっと待っているのです。
カレーにワインを入れるのも、紅茶はダージリンだと思うのも、朝食にマフィンを食べるとなんだか特別な気持ちがして嬉しいのも、みんなそのひとの小説のせい。

私はこれからあともずっとずっとこの夢を見続けるんだろうと思う。いつまでも。

自分の作品の数がそのひとの作品の数を抜いたときには、作家であり続けることをやめたそのひとの気持ちが少しは判るのかなと。……まず抜くところまで行かないとならないわけで、それはまだ、先のことなのだけれど。




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