セクサロイドは眠らない
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2001年09月03日(月) |
ねえ。不思議よね。あれとセックスってとっても似ているわ。 |
男達が顔を真っ赤にして酒を飲んで騒いでいる。私は、結婚のことを聞かれるたびに曖昧に笑ってごまかしながら酌をして回る。
祖母の葬儀で久しぶりに田舎に帰った。葬儀は滞りなく終わり、夜の宴会が始まった。イトコのマサキも来ていた。酒の飲めないマサキは叔父達の突っ込みにヘラヘラと笑うばかりである。
マサキが「俺、ちょっと便所」と言って座敷を出たので、私も後から座敷を出る。
用を済ませて出て来たマサキは、私が立っているのを見てぎょっとする。
「ねえ。外に出ない?」 「あ、ああ。でも、大丈夫かな。戻らなくて。」 「いいって。みんな酔っぱらっててあたし達のことなんか気にしてないって。」
外に出て、離れのおばあちゃんの部屋に入る。
「おい。やめとこうよ。ばあちゃん、ここで死んだんだろ?縁起悪いよ。」 「いいから。」
私はもう我慢できなくなって、マサキのネクタイをほどき始める。
「おい。アキちゃん・・・。それ、まずいって。」 「いいのよ。おばあちゃんも見ててくれるわ。ねえ。したいのよ。」
私は、服を脱ぎ、マサキの上に乗る。彼のものを手でそっと握ると、マサキも、その時にはもうすっかりその気になって、私の乳房を掴んでくる。私も、彼も、無言で動く。
「アキちゃん、どうしたんだよ。すごいよ。」 激しい動きに、お互い、あっという間に達する。
「アキちゃんとこんなことできるなんて夢みたいだ。アキちゃん、きれいになったもんな。俺、嬉しいよ。ほんと。なあ。アキちゃん。アキちゃん?」
私は、男がうるさくなって、さっさと服を着ると祖母の部屋を後にする。
--
東京に帰って、しばらく経ったある日。マサキから電話が入る。
「俺、ちょっと用があって東京来たんだけど、アキちゃんとこ寄っていい?」 「何しに?」 「何しに、って。いいじゃないか。イトコ同士なんだし。話くらいしてもさあ。」 私は、ため息をついて電話を切る。
夜、形ばかりの手土産を持って、マサキが来る。
「お酒、飲む?」 「いや、俺飲めないから。」 「いいから、少しぐらい付き合ってよ。そうでないなら帰って。」 私は、彼にグラスを渡す。彼は、顔をしかめて、一口二口、飲む。
「なあ。そんなことよりさあ。」 「なに?」 マサキは、私の腰に手を回してくる。
「やめてよ。」 「なんでだよ。この前の夜、俺達、楽しくやっただろう?」 「あれは、あの時だけよ。」 「そう冷たいこと言わないでよ。」
だが、マサキの手から力が抜ける。
「あれ、俺どうしたんだろ。」 「お酒のせいじゃない?」 私は笑う。
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安心しなさい。苦痛はないようにするから。
マサキは、もう声も出せない。
あたし、小さい頃、母を亡くしてるでしょう?あれね。パパの出張中に起こったことなの。ママね。心臓弱くて。あの日も、発作で倒れたの。私、わざと病院に電話しなかった。それから、ママはあのまま固くなって。あの晩から、パパが帰ってくるまでの間、私は、ママの死体と添い寝したり。ママの体を動かして遊んでたの。おばあちゃんのお葬式の日も、ね。我慢できなかったの。誰かが死ぬと、不思議なくらい興奮しちゃう。
ねえ。不思議よね。
死ぬって、セックスととっても似ているわ。
あなたもそう思わない?
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