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2007年12月24日(月) 本を読む師走

・川上弘美『夜の公園』(中央公論新社)


わたしいま、しあわせなのかな――寄り添っているのに、届かないのはなぜ。恋愛の現実に深く分け入る、川上弘美の新たなる傑作長篇。

 お互いが浮気をしている夫婦の物語と言ってしまえば乱暴すぎるけれど、そういうことだ。その4人の視点が順繰りにまわって物語が進む。

 川上さんの書くちょっと不思議なお話、彼女の言う「うそばなし」が好きなので、この本はそれほど好きにはなれなかった。恋愛ものなら『センセイの鞄』のあのゆるゆるとした空気のほうが好きだ。


 二人は、私という人間の中にある幾つかの種類の「私」のうちの、それぞれ違う「私」とつきあっているのだ。
(川上弘美『夜の公園』(中央公論新社))

 これは夫である幸夫の考え。そういうもの、なのかな。


諒 |MAIL